- 意味と人間知性の民俗認知経済学
-
「トランス・サイエンス時代」への教訓を求めて
青山学院大学経済研究所研究叢書 9
- 価格
- 6,600円(本体6,000円+税)
- 発行年月
- 2018年03月
- 判型
- A5変
- ISBN
- 9784862852724
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[BOOKデータベースより]
現代は科学に依存した社会を創り上げたが、深刻化する社会問題に苦しんでいる。科学至上主義では克服できない「トランス・サイエンスの時代」が到来している。経済学は効用と利潤の最大化が個人や社会を幸福にし、豊かな生活を実現するとした。しかし現実は貧富の格差が拡大し、社会的な基盤は脆弱化している。著者は意味を希求し意味を創り出す行為であるセンスメーキングに着目、歴史民俗的な実例を通して共に生きて働く中で、潜在的な知的可能性が大きなスケールで展開し、集合知となって継承されることを考察する。心理学的実験の活用を含めて、経済学の可能性を探究した画期作。
第1部(意味の研究;「科学」に依拠しない知性の民俗認知経済学―トランス・サイエンス時代への教訓を求めて)
[日販商品データベースより]第2部(生業の行動経済学は可能か;環境リスクと生業の民俗認知経済学;農具を発達させた転用の知恵―生業用民具の民俗認知経済学;ともに働く人びとの自己拡大とアフォーダンス知覚の実験―「世界が新しく見えてくるとき」)
第3部(旅と行商がもたらした「身体的知恵」をめぐって;「生きる達人」になる知恵のフォークロア―娑婆世界における和楽・和食と民俗認知経済学の展開;歴史民俗学的な視点からの心理的時間論の実験―貝原益軒「心理的長寿」の認知科学的・脳科学的実験による再検討)
われわれは科学に期待し「科学に依存した社会」を創り上げてきたが,ますます深刻化する社会問題に苦しんでいる。単なる「科学至上主義」ではこの危機を乗り越えることはできない。「トランス・サイエンスの時代」が到来したのである。しかし「科学に依存した社会」を超えて先に進むためには,どうやったらよいのだろうか。本書では,それへの教訓を求めて歴史民俗の世界へ目を向ける。われわれの先人たちは,科学的知識も医学的知識も不十分な時代において,それでも「科学以外の人間の知性」を発揮して生き抜いてきた。その生きるための知性は,意味を創りそれを伝承し活用する行為,つまりセンスメーキングの行為によって実践されてきた。本書では,ブルーナーやワイクの議論を出発点としつつ,歴史民俗の実際の諸事例を検討し,センスメーキングの行為が具体的にどのようにして「科学以外の人間の知性」の発揮を可能にしたのかを明らかにする。「トランス・サイエンスの時代」への備えを提示する「経世済民の学」をめざすともに,経済学は「合理的個人という人間像を出発点として公理論的な科学として展開されねばならない」という「科学至上主義」の学問観に対しても挑戦する画期作となっている。