- 絆の音楽性
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つながりの基盤を求めて
Commusicative Musicality音楽之友社
スティーヴン・マロック コルウィン・トレヴァーセン 根ケ山光一 今川恭子- 価格
- 17,600円(本体16,000円+税)
- 発行年月
- 2018年04月
- 判型
- B5
- ISBN
- 9784276139091
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[BOOKデータベースより]
人は生まれながらにして「音楽的」である―マロックとトレヴァーセンが創出した「コミュニカティヴ・ミュージカリティ(絆の音楽性)」をキーコンセプトに、発達心理学や行動科学、文化人類学、言語学、脳科学、認知神経科学、教育学、療法や演奏の実践研究を含む幅広い分野の研究者が、過去数十年にわたる先行研究の意義を跡づけ、最新の科学的知見を読み解き、新たな課題への示唆を与えた記念碑的著作。人が人であること、人と人のつながりの基盤を求めて、日々実践研究に取り組むすべての人へ贈る―原著者による日本語版まえがき、訳者陣による巻末参考資料、詳細な原書項目索引を備えた、待望の日本語訳登場!
音楽性:生きることの生気と意味の交流
[日販商品データベースより]第1部 音楽性の起源と精神生物学(根、葉、花、または幹:音楽の起源と適応的機能について;音楽と人間形成―認知記号論の視点から(想像的仮説の探究) ほか)
第2部 乳児期における音楽性(乳児のリズム:音楽的コンパニオンシップの表現;情動と意味を共有する声:スコットランドと日本における幼い乳児とその母親 ほか)
第3部 音楽性と癒し(紛争中・紛争後の地域の子どもたちのための音楽:精神生物学的アプローチ;コミュニカティヴ・ミュージカリティとコラボレイティヴ・ミュージキングのはざまで:コミュニティ音楽療法からの展望 ほか)
第4部 子どもの学びにおける音楽性(話すことと聴くことにおける音楽性:学びの環境としての教室談話の鍵;子どもの音楽性と音楽学習にみる自発性 ほか)
第5部 演奏行為における音楽性(音楽に揺さぶられる身体:儀式上の儀礼と一体化した時間芸術;音楽リズムの時間生物学に向けて ほか)
参考資料
本書の原著者マロックは、トレヴァーセンが録り貯めた母子相互作用の音源から、音声分析の手法によって「コミュニカティヴ・ミュージカリティ(絆の音楽性)」という心理学上の概念を創出した。マロックが注目した26秒のやりとりのなかで、母子は規則正しいパルスを共同生成し、その音声を注意深く同期もしくは交代させながら、優雅なナラティヴを形成した。そして、このような共同生成は、人が経験しうる多くの事象に潜んでいる。本書は、人のコミュニケーションのなかに存在する、生まれながらの音楽性の生物学的ないし心理学的な起源や、発達、癒しの機能について、さまざまな研究分野から考察する全27の論考より構成されている。全体は5部に分けられ、第1部は音楽性の起源と精神生物学、第2部は乳児期における音楽性、第3部は音楽性と癒し、第4部は子どもの学びにおける音楽性、第5部は演奏行為における音楽性を扱う。執筆者の所属はイングランド、スコットランドのほか、フランス、ポルトガル、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、ドイツ、ギリシャ、アメリカ、オーストラリア、と欧米各国に及ぶ。それぞれが各分野において独創的かつ学際的視点で研究を積み上げてきた研究者であり、音楽の喜びが生まれた直後から備わる人間特有の才能であり、集団の文化的意味の創造や言語の発明とその効果的利用にとって基本的重要性を持つという認識を共有している。原著、原論文発表以来、「コミュニカティヴ・ミュージカリティ」は多くの研究者の共感を得て、発達心理学のみならず、文化人類学や言語学、脳科学、神経科学、周産期精神医学、小児精神保健学、PTSD/被虐待児音楽療法、音楽療法論、障害児教育、舞踊学、教室談話、教育法、即興、時間生物学、演奏行為論など、さまざまな学問領域でその検証、敷衍が展開されてきた。本書はその視界を一望するもので、翻訳が待たれていた。