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フッサール『倫理学研究』を読む
知泉書館 植村玄輝
点
フッサールは分析家ではあるが体系家ではなかったし、超越論的現象学は世界の意味を成立させる意識の志向性に着眼し形而上学を排除したとの言説が流布している。それに対して著者は、フッサールが初期の主著『論理学研究』(1900/1年)期からすでに体系を志向しており、真理から存在への道を探究する哲学的プログラムの構想をもっていたとして、本書では『論理学研究』を徹底的に精査、その後の展開の前史を明らかにする。
第1章 形而上学・学問論・記述的心理学―『論研』の背景第2章 論理学の性格をめぐる考察―『論研』第1巻(1)第3章 学問論としての純粋論理学と哲学者の仕事―『論研』第1巻(2)第4章 認識の現象学と客観的認識論―『論研』第2巻(1)第5章 認識の現象学―『論研』第2巻(2)第6章 客観的認識論―『論研』第2巻(3)第7章 客観的認識論の帰趨―『論研』第2巻(4)第8章 形而上学的中立性の問題―『論研』から「エルゼンハンス書評」へ
フッサールは分析家ではあるが体系家ではなかったし,超越論的現象学は世界の意味を成立させる意識の志向性に着眼し形而上学を排除したとの言説が流布している。それに対して著者は,フッサールが初期の主著『論理学研究』(1900/1年)期からすでに体系を志向しており,真理から存在への道を探究する哲学的プログラムの構想をもっていたとして,本書では『論理学研究』を徹底的に精査,その後の展開の前史を明らかにする。『論理学研究』は第1巻で心理主義的論理学を批判して「イデア主義的」な純粋論理学を擁護,第2巻は認識体験の現象学的分析を展開するが,言語表現と意味,普遍者,部分と全体,意味の合成性,志向的体験,認識,内的知覚と意識など,統一性のない雑多な印象を与える。しかしフッサールは『論研』が「獲得された洞察が内的に固められる前に刊行された」著作であり,刊行後には同書全体の主題を体系的に辿り直す講義もした。また著者はフッサール哲学を「何がどのように存在するのか」という形而上学として捉え,それを真理・存在・意識の観点から検討して,フッサールの現象学と形而上学との関係を解明する。フッサール現象学を全体的に再構成する気鋭による意欲的試みである。
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[BOOKデータベースより]
フッサールは分析家ではあるが体系家ではなかったし、超越論的現象学は世界の意味を成立させる意識の志向性に着眼し形而上学を排除したとの言説が流布している。それに対して著者は、フッサールが初期の主著『論理学研究』(1900/1年)期からすでに体系を志向しており、真理から存在への道を探究する哲学的プログラムの構想をもっていたとして、本書では『論理学研究』を徹底的に精査、その後の展開の前史を明らかにする。
第1章 形而上学・学問論・記述的心理学―『論研』の背景
[日販商品データベースより]第2章 論理学の性格をめぐる考察―『論研』第1巻(1)
第3章 学問論としての純粋論理学と哲学者の仕事―『論研』第1巻(2)
第4章 認識の現象学と客観的認識論―『論研』第2巻(1)
第5章 認識の現象学―『論研』第2巻(2)
第6章 客観的認識論―『論研』第2巻(3)
第7章 客観的認識論の帰趨―『論研』第2巻(4)
第8章 形而上学的中立性の問題―『論研』から「エルゼンハンス書評」へ
フッサールは分析家ではあるが体系家ではなかったし,超越論的現象学は世界の意味を成立させる意識の志向性に着眼し形而上学を排除したとの言説が流布している。
それに対して著者は,フッサールが初期の主著『論理学研究』(1900/1年)期からすでに体系を志向しており,真理から存在への道を探究する哲学的プログラムの構想をもっていたとして,本書では『論理学研究』を徹底的に精査,その後の展開の前史を明らかにする。
『論理学研究』は第1巻で心理主義的論理学を批判して「イデア主義的」な純粋論理学を擁護,第2巻は認識体験の現象学的分析を展開するが,言語表現と意味,普遍者,部分と全体,意味の合成性,志向的体験,認識,内的知覚と意識など,統一性のない雑多な印象を与える。しかしフッサールは『論研』が「獲得された洞察が内的に固められる前に刊行された」著作であり,刊行後には同書全体の主題を体系的に辿り直す講義もした。
また著者はフッサール哲学を「何がどのように存在するのか」という形而上学として捉え,それを真理・存在・意識の観点から検討して,フッサールの現象学と形而上学との関係を解明する。フッサール現象学を全体的に再構成する気鋭による意欲的試みである。