[BOOKデータベースより]
「鉄筋コンクリートや鉄骨という構造体と工業化された新しい材料を用いて、時間のなかで成熟する持続的な建築が実現できるのか。また、デザインという意識的な方法によって、生活のなかに浴けこんで地となるような建築を生みだすことができるのか。さらには普遍性と合理性を追求した結果、それまでの建築がもっていた地域性や風土性はどのようにして継承できるのか。モダニズム建築にはこのような新たな難問が立ちはだかったのである。…そしてそうした課題と真摯に向きあった日本のモダニズム建築を、私たちはそれとは気づかずにすでにいくつももちえてきた」2016年7月、「ル・コルビュジエの建築作品」として世界遺産に登録された国立西洋美術館―その実施設計と監理は前川國男、坂倉準三、吉阪隆正による。戦後日本の近代建築は彼ら三人の弟子たちを中心に「ル・コルビュジエ派」によって推し進められてきたが、現在ほぼ半世紀前の建物群が「モダン・ムーヴメントの貴重な作品」と認定されつつも取り壊しの危機に晒されている。京都会館、大学セミナーハウス、戦没学徒記念若人の広場ほか代表作の生まれた歴史的背景や設計プロセスを新たに掘り起こし、保存・活用すべき「私たちの時代の建築」として提示する。1955年、国立西洋美術館設計のため来日したル・コルビュジエの足跡を追ったドキュメントも収録。
1(「平凡な建築」ということ―戦時下の吉田鉄郎;アントニン・レーモンドと所員たち;ジャパニーズ・モダン―シャルロット・ペリアンと日本)
2(プレモスというミッション―前川國男の復興住宅;遺産としての建築写真―旧紀伊國屋書店;神奈川県立図書館・音楽堂ができるまで;小さな教会の大きな世界―吉村順三と戸村一作)
3(ル・コルビュジエの見た日本―たった一度の短い滞在;弟子たちの軌跡―ル・コルビュジエから遠く離れて)
4(都心のキャンパス―大江宏と法政大学校舎;集まって住む風景―公団阿佐ヶ谷住宅;建築は誰のものか―京都会館再整備計画をめぐって;大学セミナーハウス―吉阪隆正の有形学;戦没学徒記念若人の広場―丹下健三の知られざる建築)
5(「物」としての建築―白井晟一と前川國男;石を積む―白井晟一の建築;村野藤吾の都市;定点観測としての東京駅)
「ル・コルビュジエ派」によって推し進められてきた戦後日本の近代建築。京都会館ほか代表作の生まれた歴史的背景や設計プロセスを新たに掘り起こし、保存・活用すべき「私たちの時代の建築」として提示する。
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2016年7月、世界遺産に登録された国立西洋美術館の実施設計は前川國男、坂倉準三、吉阪隆正による。日本の近代建築は彼ら3人の弟子を中心にル・コルビュジエ派によって推し進められてきたが、現在、ほぼ半世紀前の建物群が取り壊しの危機にさらされている。
代表的作品の建設経緯を紹介、保存への道を探る。1955年、日本滞在時のル・コルビュジエの足跡を克明に追ったドキュメントも収録。上野の西洋美術館、ホールを見上げれば富士山が…?
図版約100点収録。