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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:4)
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★プロ書店員レビュー★
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小説ならではの達成に震えた。
「文藝賞」は、山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』、中村航『リレキショ』、綿矢りさ『インストール』、鈴木清剛『ラジオデイズ』といった青春小説の傑作を多数掘り出してきた。とりわけ、乾いた現代語で屈折を緻密に記述し、日常の不穏を丁寧に炙り出すような作風の、「さわやかなへんたい小説」とでも呼びたくなるような作品が多い。その最前線に、町屋良平が現れた。表題作は第53回文藝賞受賞作。約100頁と短い。主人公はボクサー志望だが、弱い。将来の展望も不明瞭だ。しかし、それ以上に周囲の不健康が勝る。対比的に、凡庸なまでの健康が主人公の輪郭として見えてくる。自律/依存、強さ/弱さ、生/死といったテーマが低温の文章でじわじわと描き出される。いや、そんなに単純ではない。短くとも豊かなテクスチャーがこの作品の魅力だ。言葉にできないことが言葉になっている、その小説ならではの達成に震えた。
レビュアー:野上由人 / リブロ / 男性 / 40代
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