[BOOKデータベースより]
こころによはくをつくる、文字のない絵本。『100にんのサンタクロース』の作家、幻のデビュー作!12年ぶりの復刊。
[日販商品データベースより]読者の数だけ感じ方がある,文字の無い絵本。
自分のいろを見失ったサルくんは,いつも他の動物たちのことをうらやましがってばかり。素敵な耳のウサギさん,力もちのゾウさん,大空を自由に飛べるトリさん,水の中をスイスイ泳ぐサカナさん。だけど自分には何もない。そんな時,サルくんは森の中で空から落っこちて泣いているお月さまに出会って…。
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ページをめくるとサルくんがあらわれます。文字はありません。サルくんは、うさぎさんと出会って顔を見合わせたり、ありさんたちが砂糖を運ぶのをじっと見つめたりしています。大きなぞうさんの鼻先に乗ってもちあげられたり、ちょうちょと目を見合わせたりしています。なんだか悲しそうな表情のときもあれば、おだやかでやさしい目をしているときもあります。水にうつるサルくんの姿はどこかさみしそうに見えます。画面は暗くなり、黒い森のなかで、サルくんは泣いているおつきさまに出会います。サルくんは、高い木を見上げ、おつきさまを背負って登りだします……。悲しくて悲しくて泣いているおつきさま。サルくんに背負われてもまだ悲しそう。おつきさまは、空から落ちてきてしまったのでしょうか?心細そうにポロポロ涙を流し、落ち込んでいるようすがつたわってきます。作者は20歳のときにボローニャ国際絵本原画展を見て、独学で絵本を作りはじめました。その後日本だけではなくフランスやイタリアなどで数々の絵本を出版しています。独特の、こころもとなさの漂う絵には、読むわたしたちも内面を刺激され、ぽつぽつとふだんは押し込めている感情がわき出してくるようです。「ぼくがこのえほんでつくりたかったのは、こころのよはくです。」最後のページで作者がこう記している意味を、絵本をひらいてみなさんもあじわってみてください。この絵本のおつきさまのように、どこかで泣いている人を、絵本で笑顔にしたい……。絵本作家、谷口智則さんの、原点と言える作品です。
(絵本ナビライター 大和田佳世)
言葉がない絵本です。
最後のページにあるように、読み手のその時々で感じることが違う絵本です。
サルくんの繊細な気持ちの動きが、イメージできます。
『サルくんとバナナのゆうえんち』を読んだあとで、読んだ方がいいかもしれません。
(オリーブの実さん 50代・香川県 )
【情報提供・絵本ナビ】