[BOOKデータベースより]
朝鮮外交の現実的かつ、したたかな展開。清国、日本、米、英を相手に開港期の朝鮮はどう立ち回ったか。新設の統理交渉通商事務衙門に往来した外交文書の分析から、従来の「頑迷固陋」イメージとは全く異なる朝鮮外交の実態を描き出す力作。
第1部 開港期朝鮮の外交主体・統理交渉通商事務衙門(統理交渉通商事務衙門成立前史;統理交渉通商事務衙門の構成員;統理交渉通商事務衙門の活動実態―地方官庁との関係から)
第2部 朝清宗属関係をめぐる朝鮮外交の展開(朝清商民水陸貿易章程と関連諸章程の成立;朝清陸路貿易の改編と中江貿易章程;対清懸案事項の処理過程にみる諸章程の運用実態)
第3部 条約をめぐる朝鮮外交の展開(関税「自主」をめぐる朝鮮外交の展開―「日朝通商章程」を中心に;最恵国待遇条項をめぐる朝鮮外交の展開―朝米修好通商条約を中心に;最恵国待遇の運用をめぐる朝鮮外交の展開―朝英修好通商条約均霑問題)
朝鮮国にとって開港期とは,1876年の日朝修好条規から1894年の日清戦争までを指す.これまでの研究は,維新開国に成功した日本が失敗した朝鮮を植民地化したという見方が主だったが,この時期朝鮮国は独自の外交戦略をもち,主体的に振る舞ったことを,統理交渉通商事務衙門などの歴史資料をもとに明かす.朝鮮外交研究の空白を埋める貴重な仕事であり,今日の日韓・日朝関係のこじれの源流を考える糸口になる.
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。