- 貧困世代
-
社会の監獄に閉じ込められた若者たち
講談社現代新書 2358
- 価格
- 836円(本体760円+税)
- 発行年月
- 2016年03月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784062883580
[BOOKデータベースより]
学生はブラックバイトでこき使われて学ぶ時間がない。社会人は非正規雇用や奨学金返還に苦しみ、実家を出られない。栄養失調、脱法ハウス、生活保護…彼らは追いつめられている。
第1章 社会から傷つけられている若者=弱者(栄養失調状態で駆け込んでくる;事例1 所持金13円で野宿していた伊藤さん(21歳男性) ほか)
第2章 大人が貧困をわからない悲劇(あまりにも「しんどい」;ソーシャルワークという方法 ほか)
第3章 学べない悲劇―ブラックバイトと奨学金問題(ブラックバイトの発見;「殺してやるからな」 ほか)
第4章 住めない悲劇―貧困世代の抱える住宅問題(住宅政策の議論は希薄;住宅は最大の福祉制度である ほか)
第5章 社会構造を変えなければ、貧困世代は決して救われない(アセスメントを最重視せよ!;生身の若者に接する大切さ ほか)
昨年『下流老人』が20万部超えのベストセラーとなった著者の新書第2弾!今回は若者の貧困に着目し、「一億総貧困社会」をさらに深く読み解く。これまで、若者は弱者だとは認められず、社会福祉の対象者として扱われなかった。本書では、所持金13円で野宿していた栄養失調状態の20代男性、生活保護を受けて生きる30代女性、脱法ハウスで暮らさざるを得なくなった20代男性などの事例から、若者の貧困を分析する。
「貧困世代(プア・ジェネレーション)」は下流老人よりも悲惨だ!
「現在の若者たちはもはや、ロスト・ジェネレーションのような一時的な就職難や一過性の困難に置かれているのではない。雇用環境の激変を一因とする、一生涯の貧困が宿命づけられている。
若者たちは何らかの政策や支援環境の再編がない限り、ワーキングプアから抜け出せないことも増えてきている。
ここでわたしは、現代の若者たちは一過性の困難に直面しているばかりではなく、その後も続く生活の様々な困難さや貧困を抱え続けてしまっている世代であると指摘したい。彼らは自力ではもはや避けようがない、日本社会から強いられた貧困に直面している。日本史上でも類を見ない、特異な世代である。
だからこそわたしは、彼らの世代を、『貧困世代(プア・ジェネレーション)』と総称することにした」(「はじめに」より)
大多数の若者たちは、現代日本の社会構造のおかげで、夢や希望を叶える活力を持ちながらも、それを生かせずにもがいている。しかも悪いことに、若者たちは支援が必要な存在だと認識されておらず、社会福祉の対象としては扱われてこなかった。
貧困世代約3600万人はまるで、日本社会がつくった監獄に閉じ込められている囚人のようである。
若者は働けば収入を得られる、若者は家族が助けてくれる、若者は元気で健康である、昔の若者のほうが大変だった、若者の苦労は一時的なものだ・・・・・・こうした「大人の言説」はすべて間違っている。
本書では、所持金13円で野宿していた栄養失調状態の20代男性、生活保護を受けながら生きる30代女性、ブラック企業でうつ病を患った20代男性、脱法ハウスで暮らさざるを得ない20代男性の事例などの、筆者自らが聞き取った体験談を分析し、いかに若者が社会からこき使われ、疲れ果て、貧困に至っているのかを書き尽くす。
貧困世代のつらさを全国民が深く理解し、いびつな社会構造を変えなければ、下流老人も含めた日本固有の貧困問題は絶対に解決しない。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- ひとりだから楽しい仕事
-
価格:2,640円(本体2,400円+税)
【2023年01月発売】
- コロナ貧困
-
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2021年08月発売】
- いまを生きるための社会学
-
価格:4,180円(本体3,800円+税)
【2021年01月発売】
- 家族とジェンダー
-
価格:2,860円(本体2,600円+税)
【2003年03月発売】
- ファッションで社会学する
-
価格:2,530円(本体2,300円+税)
【2017年07月発売】
「貧困世代(プア・ジェネレーション)」は下流老人よりも悲惨だ!
「現在の若者たちはもはや、ロスト・ジェネレーションのような一時的な就職難や一過性の困難に置かれているのではない。雇用環境の激変を一因とする、一生涯の貧困が宿命づけられている。
若者たちは何らかの政策や支援環境の再編がない限り、ワーキングプアから抜け出せないことも増えてきている。
ここでわたしは、現代の若者たちは一過性の困難に直面しているばかりではなく、その後も続く生活の様々な困難さや貧困を抱え続けてしまっている世代であると指摘したい。彼らは自力ではもはや避けようがない、日本社会から強いられた貧困に直面している。日本史上でも類を見ない、特異な世代である。
だからこそわたしは、彼らの世代を、『貧困世代(プア・ジェネレーション)』と総称することにした」(「はじめに」より)
大多数の若者たちは、現代日本の社会構造のおかげで、夢や希望を叶える活力を持ちながらも、それを生かせずにもがいている。しかも悪いことに、若者たちは支援が必要な存在だと認識されておらず、社会福祉の対象としては扱われてこなかった。
貧困世代約3600万人はまるで、日本社会がつくった監獄に閉じ込められている囚人のようである。
若者は働けば収入を得られる、若者は家族が助けてくれる、若者は元気で健康である、昔の若者のほうが大変だった、若者の苦労は一時的なものだ・・・・・・こうした「大人の言説」はすべて間違っている。
本書では、所持金13円で野宿していた栄養失調状態の20代男性、生活保護を受けながら生きる30代女性、ブラック企業でうつ病を患った20代男性、脱法ハウスで暮らさざるを得ない20代男性の事例などの、筆者自らが聞き取った体験談を分析し、いかに若者が社会からこき使われ、疲れ果て、貧困に至っているのかを書き尽くす。
貧困世代のつらさを全国民が深く理解し、いびつな社会構造を変えなければ、下流老人も含めた日本固有の貧困問題は絶対に解決しない。