- 駝鳥
-
- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2015年09月
- 判型
- A4
- ISBN
- 9784897378107
[BOOKデータベースより]
ダチョウが初めて口を開いて言ったことは…?旅行者が沙漠にふみまよった。旅行者は一羽のダチョウをつれていた。ダチョウはよく彼になれていた。どこまでもどこまでもついていった。旅行者は食べものをダチョウと分けあって食べた。眠くなるとダチョウの羽毛にくるまって眠った。旅行者とダチョウは何日も歩き続けた。食料がだんだん残り少なくなってきた。旅行者は食べものをダチョウに与えるのをやめた。ダチョウは自分からねだることはなかった。町はまだまだ見えない。ふたりの旅は果てしなく続いていく…
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なんとも不気味な絵本です。
砂漠を旅する男と駝鳥がいます。
次第に食べ物がなくなっていきます。
それからどんなことが起きるのだろうと思うと、心がゾワゾワしてきます。
果たして、それまでの仲間の意識が、貪欲な生きるための切望に変わっていきます。
想像できる話ですが、とても残酷です。
駝鳥は身体を失い続けても共に歩き続けるのです。
きっかけは、駝鳥が男の大事にしていた、金ぐさりの時計を呑み込んでしまったからでした。
男の時間を奪ったということを暗示しているのでしょうか。
男の行為を容受していた駝鳥が反撃に出たのも、きっかけは時計でした。
結末に絶句しました。
決して明るい話ではありません。
心の闇を抉るようなお話です。
福井江太郎さんの絵が、あまりにもエグいです。
物語の重さに、大迫力な効果を加えていました。
(ヒラP21さん 70代以上・千葉県 )
【情報提供・絵本ナビ】