- 文楽の落語藝談
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長生きするのも芸のうち
河出文庫 か29ー1
- 価格
- 726円(本体660円+税)
- 発行年月
- 2015年05月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784309413730
[BOOKデータベースより]
近世文芸研究の第一人者が見事に引き出した。黒門町の名調子!べけんやな人生と苦心・魅力の芸談。
1 おしゃべり小僧時代(八代目文楽とは;はなし家になろうとは ほか)
2 はなし家入門―芸と修業(桂小南に弟子入り;名人小金井蘆洲と「雪月花」 ほか)
3 はなし家の生き方(はなし家は死ぬまで修業―小さん・正蔵・円生;つらいことがあったら芸だと思いな―よくなった馬生 ほか)
4 庶民の芸―「咄」を創ること(人の噺をよく聞くこと;「廏火事」が大好き―おなじみの髪結いさん ほか)
5 寄席が芸をささえる(きょうは暉峻先生が見えている;常連のきびしさ―足裏の顔向ける ほか)
6 これからの落語界(芸と客と渡り合え)
付録 廏火事
古典落語の達人、八代目文楽師匠。生い立ち、人生、芸談、寄席評を、古典研究の第一人者がじっくり聞き出す。見事な話芸に酔う。

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★プロ書店員レビュー★
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逝きし世の面影が
落語における戦後の名人の1人と称された八代目桂文楽。話のメインは古典落語ですが、八代目は明治25年生まれ。ということは、昔ちょんまげを結っていた大人たちが、幼少期の彼の周りにはたくさんいたということです。「そこに「伊勢のおじさん」というのがいましてね。背は低いんです。あたしより低いんだから。その時分六十ぐらいですね。こう、すわるでしょう。立つときにピシッと音がするんです、骨が。すわるときにもピシリッて音がする。「おじさん、どういうわけで音がするの」「これは石抱かされたんだよ」それでわかったんだ」という、徳川さまにお白洲で石責めの拷問を受けた話など江戸時代の色濃いエピソードが数多く登場します。これを名調子で話すのだから面白くないわけがない。歴史資料としての価値もあるんじゃないかと思います。
レビュアー:木下義範 / リブロ / 男性 / 40代
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古典落語の達人、八代目文楽師匠。生い立ち、人生、芸談、寄席評を、古典研究の第一人者がじっくり聞き出す。見事な話芸に酔う。