[BOOKデータベースより]
朝廷という磁場、山水への憧れ、家族の掟、幼年期の記憶…もろもろの言葉の姿を浮き彫りにする。中華王朝の文学空間。
第1部 国家と個人(言語と権力;“私”の文学)
第2部 事実と空想(史書と小説;家族の物語;人為と自然)
中国文明を根底で規定している要素は何か.それは?政治と言葉,?自然と人為,?家族と地域である.本書は,ジャンル別に時間系列に従って作品を網羅する従来の叙述の方法を排し,このキーワードがどのようなかたちで中国文学に生かされているかを,宮廷の詩歌,自然と芸術,家族愛や恋愛という軸に従って作品を配列し分析する.中国の漢詩や文学に親しむと同時に,今日のわれわれの世界認識につながる視点が獲得できる.