- 巨大ウイルスと第4のドメイン
-
生命進化論のパラダイムシフト
ブルーバックス Bー1902
- 価格
- 946円(本体860円+税)
- 発行年月
- 2015年02月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784062579025
[BOOKデータベースより]
次々と発見される巨大ウイルスは、サイズが大きいだけでなく、多彩な遺伝子を持ち、細胞性生物に近い機能を備えているものもいる。これらの新発見により、「ウイルスは生物ではない」という定義が揺らぎ、巨大ウイルスは未知の生物グループ(ドメイン)ではないかという議論が湧き上がってきた。最先端のウイルス研究が「生物とは何か」をあらためて問い直す。
第1章 超巨大ウイルスの発見(ミミウイルスの発見;そもそもウイルスとは何か;続々と発見される巨大ウイルス;パンドラウイルスとは何か;眠りから覚めた超巨大ウイルス)
第2章 第4のドメインとは何か(核細胞質性巨大DNAウイルス;生物の分類とrRNA遺伝子;3ドメイン説;第4のドメインと新たな提案;迷走する議論―ウイルスは生きている?生きていない?)
第3章 「生きている」とはどういうことか(生物とは何か、細胞とは何か;ウイルスが先か、細胞が先か;ウイルス工場とヴァイロセル;細胞核は生きている?;ミトコンドリアと葉緑体)
第4章 新しい初期生命進化論へ(細胞核と巨大DNAウイルスとの関係とは;巨大DNAウイルスと生物の進化;アンフォラ(壷)型ウイルスの進化・私案;巨大DNAウイルスが語りかけるもの)
最近発見された「パンドラウイルス」という巨大ウイルスは、これまでのウイルスと姿が大きく異なっている。ひょっとしたら、これまでに全く知られていない新たな生命の形なのではないか。現在、生物の世界は3つのグループ(ドメイン)に分けられることになっているが、ウイルスはそれにあてはまらない。しかし、今後、新たな「第4のドメイン」が付け加わることになるかもしれない。生物とは何かを問いなおすミステリー。
2013年7月、「超巨大ウイルス」に関する第1報が、科学誌『サイエンス』に掲載された。発見当初は「新しい生命の形」というニックネームが与えられていたというこの巨大ウイルスは、論文では「パンドラウイルス」という名が付けられていた。むろん、その名の由来はギリシア神話の「パンドラ」である。
当初、このウイルスが「新しい生命の形」と名付けられたのには理由があった。その姿が、それまでのウイルスとは大きく異なっていたからだ。かといって、これを生物とみなすにはあまりにもウイルス的であった。ウイルスでもない。生物でもない。だとしたら、これまでに全く知られていない新たな生命の形なのではないか。そもそも、「生物」とはいったい何なのだろうか?
現在、生物の世界は3つのグループ(ドメイン)に分けられることになっているが、ウイルスはそれにあてはまらない。しかしもしかしたら、新たな「第4のドメイン」が付け加わることになるかもしれない。そんな議論が巻き起ころうとしている。
巨大ウイルスには、パンドラウイルスのほか、ミミウイルス、ママウイルス、メガウイルス、ピトウイルスなどが発見されている。本書は、そんなウイルスたちと、彼らにまつわる生物たちの話である。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- DNAとはなんだろう 「ほぼ正確」に遺伝情報をコピーする巧妙なからくり
-
価格:1,100円(本体1,000円+税)
【2024年08月発売】
- 生物はウイルスが進化させた
-
価格:1,078円(本体980円+税)
【2017年04月発売】
- 基本がわかる分子生物学集中講義
-
価格:2,970円(本体2,700円+税)
【2020年04月発売】
- これからはじめる人のためのバイオ実験基本ガイド
-
価格:2,970円(本体2,700円+税)
【2010年12月発売】
次々と発見される巨大ウイルスは、新しい生物グループ(ドメイン)ではないか? 最先端のウイルス研究が問い直す「生物とはなにか」