[BOOKデータベースより]
大正時代に欧米からビーズ織りやビーズ刺繍のバッグがもたらされ、戦後の日本で独自の発展をとげます。当時のビーズバッグを多数紹介するとともに、着物との取り合わせ、その由来、制作技法などについても解説します。また、日本のビーズ(和玉)の歴史から世界で活躍しているビーズ・アーティストまで、幅広く奥深いビーズの世界を案内します。
春の章―ビーズバッグがはやった時代(晴れの日の装いに;ビーズバッグに見る日本の美意識 ほか)
夏の章―ビーズバッグと和玉の世界(モダンテイスト;薔薇のバリエーション ほか)
秋の章―秋模様のビーズバッグとビーズバッグの制作技術(植物文様;陰翳礼讃 ほか)
冬の章―年末年始のビーズバッグと世界の中の日本のビーズ(洋の幾何学模様;日本の幾何模様 ほか)
昭和30〜40年代の装いにおいて活躍した日本のビーズバッグを中心に、和のビーズの意匠、由来、着物との取り合わせまでを解説。「和玉」の世界や国外のビーズとの関わり、世界で活躍しているアーティストも紹介。
昭和30年代、40年代といういわゆる高度成長期になると、着物はふだんあまり着られず、「よそ行き」のときに着ることが多くなってきました。そのようなシーンでの着物は、友禅をはじめとする「やわらかい着物」が主でしたが、取り合わせて特に好まれたのがビーズバッグでした。当時のビーズバッグには輝き、きらめくビーズが、緻密に、色彩豊かに刺繍されており、今も私たちを魅了してやみません。
本書では、NPO法人京都古布保存会所有のビーズバッグ、ビーズの羽織紐、半襟、草履などを中心に「和のビーズ」約150点を、法人代表の似内惠子が紹介します。外国の方にもご覧いただけるよう、英語訳入りです。
また、昭和30年代、昭和40年代当時のビーズ・ビーズバッグ産業について、当時の着物や着物周りについても資料写真を用いて解説。さらに、「ビーズ」以前の「和玉」の世界や国外のビーズとの関わり、今日世界で活躍している人々についても紹介しています。奥深い「和のビーズ」の世界をお楽しみください。