[BOOKデータベースより]
一四歳の夏、渡邉普相は広島の爆心地のすぐそばにいた。そこで見たものは、戦争という人間の愚かさが作りだした無用の「死」だった。後年、教誨師となってから見たものは、人間が法律という道具で作りだした罰としての「死」であった。ふたつの死とともに歩んだ僧侶の人生が語りかけること。
序章 坂道
第1章 教誨師への道
第2章 ある日の教誨室
第3章 生と死の狭間
第4章 予兆
第5章 娑婆の縁つきて
第6章 倶会一処
終章 四十九日の雪
2009年『死刑の基準』で、第32回講談社ノンフィクション賞、2011年『裁かれた命』で、第10回新潮ドキュメント賞、2013年『永山則夫―封印された鑑定記録』で、第4回いける本大賞をそれぞれ受賞。人が人を裁く意味を問い続け、高い評価を得てきた著者が、新作では、ある一人のベテラン教誨師の人生を追った。
許されざる罪を犯し、間近に処刑される運命を背負った死刑囚と対話を重ね、最後は死刑執行の現場にも立ち会う、教誨師。過酷なその仕事を戦後半世紀にわたって続け、死刑制度が持つ矛盾を一身に背負いながら生き切った僧侶の懊悩とは。
一筋縄ではいかない死刑囚たちと本音でぶつかりあい、執行の寸前までその魂の救済に向かおうとする教誨師の姿――。執行の場面では「死刑とは何か」「人を裁くとは何か」「人は人を救えるか」について深く考えさせらる。力作ノンフィクション。
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死刑囚に仏の教えをさとし、執行直前までその魂を救う役目を負った教誨師。半世紀にわたり教誨の仕事を続けた僧侶の人生と苦悩を描く