[BOOKデータベースより]
「独裁も時にはぜひ必要だ。圧制者がいいことをしてさえくれれば、圧制政治も万歳さ」。同世代の人々の「精神史」を書こうと構想されたフロベール『感情教育』には、一八四八年の二月革命下、社会主義者が地滑り的に「転向」してゆく姿が描かれている。二月革命の歴史的意味は何だったのか?社会主義者はなぜルイ・ボナパルトの独裁にすり寄っていったのか?本書は、こうした問題関心から、十九世紀を席巻したロマン主義と社会主義、そして、それらを規定したメディアとテクノロジー、風景と音に光を当てる。革命と反動が交錯した時代は、都市に「雷鳴よりも騒々しい」産業革命の轟音が響き、科学が顕揚される一方、人々は教会の「鐘」を通した身体感覚もまだ残していた。「反動」の時代の基底を探る試み。
愚かな世紀?
1 メディアと大衆(メディアと十九世紀フランス;新聞小説の変遷―主題とイデオロギー;新たな読者の肖像―シューに寄せられた手紙)
2 風景と音の表象(視線の力学;十九世紀の音―音の文化史序説;都市の響き、産業の喧噪)
3 革命と反動―一七八九年から一八四八年へ(ミシュレと歴史学の刷新;二月革命と作家たち;知の生成と変貌―『感情教育』のなかの社会主義)
「独裁も時には必要だ。圧制だって万歳さ」。社会主義者はなぜ独裁を容認したのか。トクヴィルからフロベール、教会の鐘から産業革命の轟音まで、「反動」の時代の基底を探る試み。
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革命家はなぜ帝政を容認したのか?トクヴィルからフロベール、教会の鐘から産業革命の轟音まで、反動の時代の基底へ。