[BOOKデータベースより]
近代化の進展に伴い建築におけるユートピア像は解体し、建築のテーマも拡散した。官僚組織によって計画された「都市」が、民間資本による「投機」と結びついて「大都市」化し、更に電子情報革命を経て「超都市」の時代へと変成する過程で、建築家の型や手法はどのように変化したのか。現代世界のカオス的状況と地球大での社会システムの変容を見すえ、建築のあり方と建築家の職能を批判的に考察。文化としての、思想としての建築の可能性を問う挑発的問題提起。
1 近代国家の建築家―テクノクラート・アーキテクト(一九五〇年の梁思成と丹下健三)
2 ユートピアがまだあった頃(フーリエの「ファランステール」(アソシエーショニズム);レオニドフの「太陽の都市」(コミュニズム);テラーニの「ダンテウム」(ファシズム))
3 ユートピアに翻弄された戦後日本(八田利也の「小住宅設計ばんざい」(コンシューマリズム);神代雄一郎の「巨大建築批判」(コモディフィケーション);宮内康の「建造物宣言」(ラディカリズム))
4 ユートピアが死んだ頃(“建築の解体”症候群―主題の不在)
5 現代社会の建築家―システム・アーキテクト(建築=都市=国家・合体装置;“都市”はアーキテクチュアか)
建築家のテーマは、1970年前後を境に拡散し曖昧になり、建築におけるユートピア像も失われていった。その過程を辿り直すことで、目的を見失い「不全症候群」に陥ってしまった「建築」が今模索すべき道を問う。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 挽歌集
-
価格:3,080円(本体2,800円+税)
【2014年09月発売】