[BOOKデータベースより]
鎌倉幕府の弾圧と流罪に遭いながら、ひたすら専修念仏の実践と布教に努め、浄土真宗を開いた親鸞―。厳しい求道ひと筋の生涯の最晩年、はるか遠国で布教の熱意に燃える最愛の門弟たちにしたためた、現存する全43通の手紙の易しく懇切な現代語訳。
第1部 親鸞の手紙(王御前(覚信尼)への返書;関東の門弟の疑義に答えた返書;教忍坊への返書;常陸の国南部の同朋への手紙 ほか)
第2部 恵信尼の手紙(「譲り状」その一―若狭殿の御局、お取次ぎください。…;「譲り状」その二―若狭殿お取次ぎください…;親鸞死去の知らせをうけて―去年の十二月一日付の…;夫親鸞の思い出―この手紙を書き記して… ほか)
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 児灌頂の研究
-
価格:9,350円(本体8,500円+税)
【2021年02月発売】

























いまわれわれが接することができる親鸞の手紙はすべて、七十歳代から八十歳代にかけての最晩年に集中している。自力・他力の分別の如何、他力本願といえ自分の精進努力も必要ではないか、という混乱する東国念仏者たちの信仰への疑念にこたえ、徹底した信心中心の思想、弥陀仏への絶対的信仰を往生の要とする専修念仏を心をこめて説き明かし、切々とうったえる姿は、その老齢を考えると感動的である。なかでも、「悪人正機説」で有名なように、「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」(『歎異抄』)という親鸞思想の核心が、誤った教説に歪め