[BOOKデータベースより]
「ロレンスの作品を読む読者が必然的に行き当る“不可知”の部分」に光りを当て、そこに彼の文学的生命が潜在することを明らかにしてゆく。代表的長篇や詩を精緻に分析・鑑賞し、さらに、伝記や研究書を批判的に検証する。「文学」の領域をはみ出すロレンスの作品宇宙へ誘う第一級の作家・作品論。
1(『白い孔雀』;『恋しい息子たち』 ほか)
2(「カンピオン」;「金魚草」 ほか)
3(ムア『愛の高僧―D・H・ロレンス伝』;「ロレンス神話」の在処―公的記録に見るロレンスの母の家系 ほか)
4(「プロシア士官」論;「母親殺し」神話としての『恋しい息子たち』)
ロレンスの作品を読む読者が必然的に行き当たる「不可知」の部分に光りを当て、そこに彼の文学的生命が潜在することを明らかにする。「文学」の領域をはみ出すロレンスの作品宇宙へ誘う、第一級の作家・作品論。
20世紀の英国文学でジョイスに対抗しうる作家はたぶんロレンスだけだろう。本書は『白い孔雀』『チャタレイ夫人の恋人』『恋する女』『プロシア士官』などの諸作品を精緻に分析する。さらに代表的な伝記・研究を批判的に検証しつつ〈ロレンス神話〉の解体を計る。文学的な完成や文体の冒険とは一線を劃して、生と性を探究した作家のエッセンスを開示した、つねに参照すべき第一級の作家論。