[BOOKデータベースより]
欧米諸国よりも遅れて近代化の道を歩み始めた日本は、舶来の文化や文明を急速に輸入することを迫られた。だからこそ、日本語には、多くの外来語や翻訳語が存在するのである。それは、今日の日本語にとって、宿命とも言うべき事態であろう。ただし、単に外来語や翻訳語を採り入れることは、それらを正しく理解することと同じではない。われわれは、「民主主義」や「市民」の意味を正しく理解してきたのであろうか。「個人主義」や「共和国」といった事柄を、本当に知っているのであろうか。本書が取り上げるのは、そういった問題である。
社会
大衆
個人
市民
NPOとNGO
民主主義と共和制
権利と権力
「法治主義」と「法の支配」
首都と資本
主観的と主体的
愛国心と国粋主義
社会、個人、大衆、民主主義…。日本人は、これら社会科学にまつわる言葉の意味を真に理解していない。それゆえ、歪んだ民主主義観や政治観に囚われている。新しい日本語論の誕生。
外来語(西洋語)を外来語(漢語)に置き換えざるを得なかった「日本語の宿命」を、具体的な言葉を題材に明らかにする。