[BOOKデータベースより]
大衆文学のルーツは、意外に新しい。それは、大正十二年の関東大震災後に始まった文学の形態である。マスメディアの発達によって大衆性に富んだ文学が大量生産されるようになった。庶民の視線で「宮本武蔵」を書いた先駆者・吉川英治と「樅ノ木は残った」の山本周五郎。史実を極めた吉村昭をはじめ、大佛次郎、井上靖、司馬遼太郎ら歴史文学の大御所たち。最後の無頼派といわれた檀一雄。犯罪者の眼で文学に新しい世界を開いた江戸川乱歩、松本清張、佐木隆三。巨匠たちの生涯と作品を生きいきと描きだす。
第52章 吉川英治と宮本武蔵とお通さん―庶民の眼(一)
第53章 臍曲がり山本周五郎―庶民の眼(二)
第54章 大佛次郎・「鞍馬天狗」と「天皇の世紀」―歴史の眼(一)
第55章 井上靖・大陸文明に対する憧憬と異国情緒―歴史の眼(二)
第56章 吉村昭・史実を極める―歴史の眼(三)
第57章 司馬遼太郎・理想の人間を創る―歴史の眼(四)
第58章 火宅の人檀一雄と女たち―漂泊者の眼
第59章 江戸川乱歩、松本清張、佐木隆三―犯罪者の眼
マスメディアの発達によって、大衆性に富んだ文学が大量生産されるようになった。先駆者の吉川英治をはじめ、山本周五郎、大佛次郎、最後の無頼派・檀一雄ら、多くの名作を遺した作家の生涯と作品を生き生きと描く。