[BOOKデータベースより]
詩人の作品世界に沈潜し、その生と思想に共振する。テクストに改訂を加え、巻末に「定本解題」を収録する。
序章 銀河と鉄道(りんごの中を走る汽車―反転について;標本と模型―時空について;銀河の鉄道―媒体について;『銀河鉄道の夜』の構造―宮沢賢治の四つの象限)
第1章 自我という罪(黒い男と黒い雲―自我はひとつの現象である;眼の赤い鷺―自我はひとつの関係である;家の業―自我はひとつの矛盾である;修羅―明晰な倫理)
第2章 焼身幻想(ZYPRESSENつきぬけるもの―世界にたいして垂直に立つ;よだかの星とさそりの火―存在のカタルシス;マジェラン星雲―さそりの火はなにを照らすのか;梢の鳴る場所―自己犠牲の彼方)
第3章 存在の祭りの中へ(修羅と春―存在という新鮮な奇蹟;向うの祭り―自我の口笛;“にんげんの壊れるとき”―ナワールとトナール;銀河という自己―いちめんの人生)
第4章 舞い下りる翼(法華経・国柱会・農学校・地人協会―詩のかなたの詩へ;百万疋のねずみたち―生活の鑢/生活の罠;一一月三日の手帳―装備目録;マグノリアの谷―現在が永遠である)
補章 風景が離陸するとき―シャイアンの宮沢賢治(土性調査―空間する時間;天空の地質学―現在する過去;風景が離陸するとき―すきとおる世界;銀河の鉄道―賢治の現在せい;シャイアンの宮沢賢治―普遍する土着)
「わたくしという現象」に注目する先駆的視点から驚くべき洞察を示した宮沢賢治。現代思想にまで影響を及ぼす稀有の詩人の生に踏み込み、豊饒な作品世界に沈潜する著者は、その思想の核心を照らし出す。そうして読者は「生と世界の肯定へ」、「存在の祭りの中へ」と解き放たれていく。収録作品:『宮沢賢治−−存在の祭りの中へ』
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