医学と仮説

原因と結果の科学を考える
岩波科学ライブラリー　１８４

岩波書店
津田敏秀　

• 価格: 1,430円（本体1,300円＋税）
• 発行年月: 2011年09月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784000295840

内容情報

[BOOKデータベースより]

なぜタバコやピロリ菌が発がん物質と言えるのか。放射線被曝と、その後に発症したがんとの因果関係はどのように証明されるのか。公害事件で医学者の言動に潜む非科学性を問うてきた著者が、水俣病・タミフル・放射能など具体例を通して、「実験によるメカニズムの解明こそ科学」という一見すると妥当な考え方の問題点を示す。

１　科学の証明―因果は医者にも見えないので間違える（約五〇〇〇人を対象とした発がん研究；国際がん研究機関ＩＡＲＣ　ほか）
２　科学と実験―因果はＤＮＡまで見ないと分からないか（自然科学と科学の目的；科学の基本用語　ほか）
３　科学と社会―因果推論の遅れがもたらす問題（日本で実際に起こった要素還元主義に基づく失敗例；森永ヒ素ミルク中毒事件　ほか）
４　科学と哲学―因果はなぜ見えないか（因果関係は難しいのか？；ヒュームは原因を定義した　ほか）
５　科学と仮説―因果を整理する（非巡回有向グラフＤＡＧを描く；交絡要因と別ルート　ほか）

[日販商品データベースより]

公害事件で医学者の言動を問うてきた著者が、具体例を通して、「実験によるメカニズムの検証」という一見すると妥当な考え方に潜む問題点をつく。原因と結果を結ぶ科学の言葉がわかりやすく解説される１冊。〈受賞情報〉毎日出版文化賞自然科学部門（第６７回）