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二一世紀の世界は暴力に満ちている。はたしてこれは、「文明の衝突」なのか?西洋とイスラムは対立するしかないのか?ひとは宗教や文明にもとづいたアイデンティティしか持てないのか?本書では世界史、哲学、経済学などの豊富な知見をもとに、現代世界を読み解く新たな枠組みを提示する。アイデンティティは与えられたものではなく、理性によって「選択できる」のだ。
第1章 幻想の暴力
第2章 アイデンティティを理解する
第3章 文明による閉じ込め
第4章 宗教的帰属とイスラム教徒の歴史
第5章 西洋と反西洋
第6章 文化と囚われ
第7章 グローバル化と庶民の声
第8章 多文化主義と自由
第9章 考える自由
テロ、内戦、文明の衝突……暴力に満ちた世界を救うのは「アイデンティティの複数性」だ! ノーベル経済学賞のセンが示す解決策。
21世紀の世界は暴力に満ちている。はたしてこれは、「文明の衝突」なのか? 西洋とイスラムは対立するしかないのか? 本書では、ハンチントンやサンデルらの過誤を指摘し、現代世界を読みとく新たな枠組みを提示する。アイデンティティは与えられたものではなく、理性によって「選択できる」のだ。
2010年は、マイケル・サンデルによって公共哲学・政治哲学が俄に脚光を浴びた年でした。その後、正義論の大家であるジョン・ロールズの主著が新訳されるなど、お固い人文系専門書業界にも元気なニュースが届くようになってきました。そんな中で、ロールズと並ぶ哲学者/経済学者で、最近でも『貧困の克服(集英社)』、『議論好きなインド人(明石書店)』などの著書が人気の、アマルティア・センの最新著がついに邦訳されました。版元営業さんも大納得の素晴らしい装丁で、一般の方にも多く手にとってもらえると思います。