[BOOKデータベースより]
ドイツ哲学を貫く“無”の系譜。シェリング/ヘーゲル研究。存在の深淵を直視しつつ、救済を期待する。
1 シェリング研究(悪について;シェリング『世代論』覚え書き;車輪具のエルランゲン講義l者リング芸術哲学の射程;シェリングとハイデッガー;『自由論』によって拓かれた地平;シェリングにおける自己意識の歴史について;現代によみがえるシェリング;自然と歴史;シェリングと現代)
2 ヘーゲル研究(ヘーゲルにおける「意識の超越性」寸描;『精神現象学』「意職」の章襍記;力と悟性;ヘーゲルにおける否定的なもの;「良心」Gewissenの問題;ヘーゲル現象学の周辺;ニヒト・ブールとニヒト)
3 ヘーゲル左派研究(一九世紀における実存思想の一断面;個人と社会;マルクス主義)
4 悪と無に関する問題史的考察(悪の問題局面;人間における光と影;ヤコーブのフィヒテ宛公開書翰;無の問題をめぐるドイツ観念論期の思索とハイデッガーの思索との連関;ドイツと日本の「無」の哲学;フリードリヒ・シュレーゲルの超越論的哲学と生の哲学)
日本の哲学研究をリードし続けた渡邊二郎の緻密な考究と真摯な思索の集成。単著を中心に、関連する小論文他を収める。本巻は、ドイツ哲学を貫く無の系譜、「シェリング研究」「ヘーゲル研究」などを収録。