- 八日目の蝉
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- 価格
- 649円(本体590円+税)
- 発行年月
- 2011年01月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784122054257
[BOOKデータベースより]
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。
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ユーザーレビュー (16件、平均スコア:4.3)
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Katsuei
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長生きは不幸せかもしれない
男と言う生き物は、自分の欲望を満たすために生きており、実は他人の事などどうでもよい。
一方、女と言う生き物は、自己を犠牲にしてまで愛する者のために、生きようとする。
それが自然な事なのだと筆者は言いたいのかと思った。
しかし、このタイトルを見るとそんな事を言いたいのではないと思える。
自然の摂理に逆らいながら生きる事の愚かさを知れと、本来の生を失ってまで長く生きる事の不幸を知るべきだと言っているのではないかと思えてきた。
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「夏の文庫2015」レビューコメント
犯人の逃亡先の夏祭りが印象的だったから(ani/男性/40代)
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「おすすめ夏の文庫2014」レビューコメント
夏になると読み返したくなる作品です。ページをめくる手が止まりません。(ルルル/女性/10代)
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「日本列島 本の旅」レビューコメント
小豆島での穏やかな生活が、貴和子の逃亡生活の中での安らぎとなっている。(なつ/女性/30代)
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「日本列島 本の旅」レビューコメント
不倫相手の子供を誘拐した女、2人の逃亡生活とその数年後を描いた小説。女は憎いはずの子供を大切に愛情をかけて育てていく。本当に幸せな偽りの母子。読んでいた時期が長女が大学生だったので、“薫(恵理菜)”と“希和子”の2人に感情移入して、とても胸が痛みました。(ミサコ/女性/40代)
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「日本列島 本の旅」レビューコメント
小豆島からの風景を二人で眺める姿が、とても綺麗で印象に残っています。(エル/女性/60代以上)
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「日本列島 本の旅」レビューコメント
蝉は何年も土の中で過ごしても,地上に出た後たった7日間で死んでしまう。もし,8日目に生きていた蝉がいたとしたら。主人公は,誘拐犯に育てられ,一つの人生を生きた。それは,瀬戸内海の美しく何気ない幸せな日々だった。ところが,ある日「8日目」がやってくる。他の蝉は死に絶えたのに,自分だけ見る八日目の世界とは(gorigori/男性/30代)
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「日本列島 本の旅」レビューコメント
この作品はドラマ化も映画化もされていて両方とも力作でしたので、舞台となった風景を具体的にイメージされる方も多いと思います。いろんな場所が登場しますが、やはりなんといっても作品の後半の背景となった小豆島とラストシーンの瀬戸内海の風景は、この作品の大きな魅力となっていると思います。かつては小豆島といえば「二十四の瞳」でしたが、この島をめぐる新たなロングセラーになると思います。(ぴーちゃん/女性/50代)
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「オススメの夏の文庫100冊」レビューコメント
この本は基本的に女性目線で描かれています。でも、私のような30過ぎ男でも、身近に小さな子供がいる方(特に子供好きの方)は、物語に引き込まれます。最終盤の主人公のセリフは、電車の中で泣きそうになるほど心に響きました。しかし、人によっては主人公を憎らしいと思うかもしれません。読後感が人によって真逆になる物語。(セキゾウ/男性/30代)
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sige
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男はいらない?
他人の子どもを盗んで育てることは可能なのだろうか。戸籍もないし、住民票も記載できない。母ひとり子ひとりで住む場所を確保し、仕事も確保し子育てもする。子どもが学齢期になっても学校に行かれないはずだ。そのあたりを旨くかわしながら育て上げているところにこの作家の旨さを感じる。
逃亡中のこの状況で力を貸せるのはやはり女だけだ。登場するのはほとんど女。男は役立たずの無力男としか描かれてない。そして男を全くあてにしていない。これからの世の中を暗示しているのかな。
解説者は“フェミニズム小説”と言う。
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びのびーと
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私は
人の親なので主人公は"悪"である、と思う。
ただ、母親は特別とも言うから、、、
こういうことを考えさせるところが良い
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びのびーと
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私は
人の親なので主人公は"悪"である、と思う。
ただ、母親は特別とも言うから、、、
こういうことを考えさせるところが良い
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クリスマスに贈りたい本(オススメコメント)
泣いているつもりはないのに、涙が流れています。(ガラスの部屋)
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chi
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美しくも残酷な物語
美談では済ませれない幼児誘拐事件を題材としているが、何故これほどまでに温かい気持ちになれるのか?
構成が面白い。前半と後半とで語り部が変わる。ひとつの物語を2人の女が、自身の立場で語る。
それは実に恐ろしく生生しい女の運命である。それでも女たちは直向に生き、自身の「愛」を他者へ注ぐ。
美しく描かれてはいるものの、要は他人によって人生を左右させられた者と、自ら左右させた者との愛憎。
但し慈愛に満ちた作者の眼差しが、涙を誘う。
何故あのようなラストを用意したのか?残酷であり、愛に満ち溢れたエンディングであった。
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まろん
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映画にもなりましたね☆
愛ってこういう形もあるんだなぁと思いました(._.)φ
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クレイトスさん
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親として
メディア化で話題にもなっていたので読んでみたが、正直いって感情移入できなかった。どんなに愛情を注いで大切に育てたとしても、人様の大切な子を誘拐して、本来得られるはずだった人生を大きく変えてしまった希和子は犯罪者である。同じくらいの子供を持つ親として、希和子の歪んだ愛情を理解できないまま読み終わった。ドラマチックなストーリーで多分に映像向きな内容だと感じたが、読後の気持ちよさは得られなかった。もしかしたら私が男だから、主人公の母性を理解できなかったのかもしれない。
偽りの母子の先が見えない逃亡生活、心揺さぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。第二回中央公論文芸賞受賞作。