[BOOKデータベースより]
九〇年代初頭刊行の透徹した名詩集四冊。そしてクリスティ、ダールを追ってミステリーの懐へ、また半七に同行して震災前の江戸・東京へ。歩き続ける詩人の眼を通して鮮やかに甦る、失われた風景と記憶。
詩(新世界より;ぼくの航海日誌;ハミングバード;灰色のノート)
散文(ミステリーの楽しみ―書斎の死体より;わが幻花行―青いライオンと金色のウイスキーより;動詞12カ月―ぼくの交響楽より;ぼくの十二カ月―書斎の死体より ほか)
生涯、持続的に詩を書き続けながらも、詩人の枠を超え、評論、エッセイ、翻訳などにも多彩な才能を発揮し、破天荒でありつつ柔らかく深い感性を持つ文学者として多くの人に愛された田村隆一。その全体像に迫る全集。