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三木助写真館
私にとっての主人は今も、粋で鯔背な五〇歳(小林仲子)
仕種の美しさ、省略のセンス、会話の呼吸。一本選ぶなら『へっつい幽霊』だろうな(立川談志)
三木助一代―博打に明け暮れる日々。夫人との出会いからつかんだ束の間の幸せ(保田武宏)
対談 短い生涯ゆえの燦めき(山本進;清水一朗)
今の時代には継承されにくい、押したり引いたりしない芸(川戸貞吉)
合わない噺はやらない。自分をよく知る噺家(都家歌六)
「『芝浜』の稽古を」。死の床で、小さんに頼んでくれたあたしのこと(入船亭扇橋)
帯の幅を二分詰めて。稀代のスタイリストだった(柳家小はん)
「小型じゃダメだよ」。とことん貫いた美学(林家木久扇)〔ほか〕
三木助の現存する落語音源46本すべて収録
大晦日の晩、亭主を騙していたことを告白し、詫びる女房。その気持ちを思いやり、感謝する亭主。落語『芝浜』は夫婦の絆を鮮やかに描き、年末の落語の筆頭に挙がる噺だが、『芝浜』をここまで大きくしたのは、ひとえに三代目桂三木助(1902〜1961)の功績といってよいだろう。
博打に明け暮れて一時は落語家を廃業。ふたまわり以上年下の仲子夫人と出会って心機一転。『芝浜』で芸術祭奨励賞に輝くも、がんに倒れ、3人の幼子を遺して昭和36年、58歳でこの世を去る。その人生は、半ば伝説のように語り継がれているが、これまで、三木助の全集は世に出ていなかった。
本書は、2011年1月16日で没後50年を迎えるのを機に、初めて世に出る三木助のCD全集である。CD16枚に、現存する三木助の落語音源すべて(40演目46席)を収録。『近日息子』『鉄拐』『蛇含草』『一本刀土俵入』など、初商品化19席を含む。落語家の個人全集をうたう商品は少なくないが、全音源を網羅した真の「全集」は空前絶後。138頁の書籍には、仲子夫人、立川談志らのインタビュー、詳細な音源解説を掲載。三木助58年の生涯すべてが、この一冊に詰まっている。
【編集担当からのおすすめ情報】
エアチェック音源も含め、三木助の現存する全音源を収録しました。『近日息子』『鉄拐』『蛇含草』『一本刀土俵入』『按摩の炬燵』などは、三木助のものとしては初めての商品化です。落語以外の音源として、松本清張原作『左の腕』、志賀直哉宅を三木助が訊ねて対談した『朝の訪問』、NHKの人気番組『とんち教室』も入っています。CD16枚すべてを、草柳俊一氏がマスタリング。三木助の伝記、音源解説は保田武宏氏が執筆。大ヒットを記録したCDつきマガジン『落語 昭和の名人』のスタッフが精魂込めて作り上げた、過去に例のない落語全集です。

























