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[BOOKデータベースより]
初版本で使われていた「穢多」という表現は、再刊本では藤村自らすべてを削除、書き改めた。藤村が亡くなった戦後、初版本に戻されて刊行されたが、その後、断り書きを入れることが慣習化する。一方では、多くの文学者が教条的な読み方をとり続けていた。藤村と、部落解放運動家と、文学受容と、そして著者自身をめぐる物語。
プロローグ 作者と読者のみじかい物語
[日販商品データベースより]第1章 明治の青春
第2章 丑松の青春
第3章 描かれる下層民
第4章 時代のイデー
第5章 再刊本はどこが直されたのか
第6章 無責任への悲嘆
エピローグ 少年の家の部落民
藤村の『破戒』は、部落問題を扱った文学の金字塔。だが、生前、ある圧力によって著者本人が改訂を進め、戦後、初刊本に戻った時も、ことは簡単には決着しなかった。その間の「事情」と作品の魅力を掘り下げる。