名作の書き出し

漱石から春樹まで
光文社新書　４２２

光文社
石原千秋　

• 価格: 902円（本体820円＋税）
• 発行年月: 2009年09月
• 判型: 新書
• ISBN: 9784334035259

内容情報

[BOOKデータベースより]

書き出しを読めば、その小説のすべてが分かる。

花になりたかった女―夏目漱石『それから』
誰でもない自分―谷崎潤一郎『痴人の愛』
自分を「子供」に見せる語り―太宰治『人間失格』
駒子が愛したのは東京の男―川端康成『雪国』
有為子のために―三島由紀夫『金閣寺』
真実の言説の作り方―大江健三郎『万延元年のフットボール』
父系の神話と母系の神話―中上健次『枯木灘』
空虚な「愛」は語ることができない―村上龍『限りなく透明に近いブルー』
記号の森へ／記号の森から―田中康夫『なんとなく、クリスタル』
公然の秘密を楽しむ―向田邦子『あ・うん』
女が文体を女装する―山田詠美『ベッドタイムアイズ』
少女の文体と新しい性の形―吉本ばなな『キッチン』
揺れ続ける性の向こうへ―松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』
女として読むこと―江國香織『きらきらひかる』
「こちら側」の自分はいつも孤独―村上春樹『スプートニクの恋人』

[日販商品データベースより]

最初の１行には作品のエッセンスが詰まっている。「それから」「雪国」「あ・うん」「キッチン」「スプートニクの恋人」など、近代文学や戦後、時代の最先端だった作品を取り上げ、小説に隠れた宝物を探し出す。