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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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joshua
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何百年経っても変わらない
新型コロナウイルスのパンデミックが恐れられている現在と、ここで書かれている世界は何ら変わらない。人々は感染が広がっている情報におののき、まがい物の情報に踊らされ、おかしな占術師にカネを払う。当時の人々にSNSのような発信ツールはなかったが、街中で喧伝することで、十分だった。街中に張り紙をするだけで、人々はそれを読み、信じ込んだ。誰でも発信することができたのだ。感染者が出た家は、国家権力によって見張られる。人権が法によって守られる以前の時代のことだ。しかし、世間が見張る現代の方が残酷かもしれない。他所から逃げてくる者に投石される現代の法が。
[BOOKデータベースより]
一六六五年、ロンドンが悪疫(ペスト)に襲われた。逃れえない死の恐怖に翻弄された人々は死臭たちこめる街で、神に祈りを捧げ、生きのびる術を模索した。事実の圧倒的な迫力に作者自身が引きこまれつつ書き上げた本篇の凄まじさは、読む者を慄然とせしめ、最後の淡々とした喜びの描写が深い感動を呼ぶ。極限状況下におかれた人間たちを描き、カミュの『ペスト』よりも現代的と評される傑作。