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[BOOKデータベースより]
ビルマを戦略の要とし、米欧との連携を重視しつつ、アジアでの反共外交を能動的に推進した池田政権期における日本外交の特質とは何か。本書は、日米英の膨大な関係史料を渉猟し、知られざる日本外交の実相を解明する。池田政権は「吉田路線」を継承し、定着させたという定説を覆すと同時に、「経済中心主義」の戦後日本は、冷戦を戦うことをできるだけ回避したとの一般的な理解に修正を迫る。
第1章 日米「イコール・パートナーシップ」の生成―一九六〇‐六二(池田政権の発足;「自由主義陣営の一員」としての信頼回復;池田=ケネディ会談と「イコール・パートナーシップ」)
第2章 日米欧協力体制の模索―一九六一‐六二(対西欧外交の始動;米欧日「三本柱」論の構図;池田訪欧と日欧関係の黎明)
第3章 「ビルマ重視路線」の形成と展開―一九六一‐六三(アジアの脅威をどう見るか―日本の脅威認識と対抗策;反共政策としての「ビルマ重視路線」;冷戦のなかの日緬「特殊関係」)
第4章 東南アジア反共外交の停頓―一九六三‐六四(「大国」日本の試練―東南アジアの危機とアメリカの対日要求;スカルノ「善導」論の挫折;ベトナムをめぐる相克)