- 共同風呂
-
近代村落社会の入浴事情
御影史学研究会民俗学叢書 18
- 価格
- 6,490円(本体5,900円+税)
- 発行年月
- 2008年12月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784872945416
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[BOOKデータベースより]
本書でいう「共同風呂」とは、主に農村地域において集落単位または集落内の何軒かの家が仲間を組織し、共同の浴場施設を設け。用水と燃料を調達して、湯沸し作業の交代制などの協力関係を維持しながら、仲間の家族全員が日常的に入浴したしくみをいい、いわゆる「もらい風呂」とは異なる。「銭湯(風呂屋)」に類似するが、毎回の入浴料を徴収しない、自主的な維持管理が行われる、入浴者が特定されている、などの相違点がある。また、湯沸し労働が必要であることから、温泉地の「共同浴場」とも違っている。その成立時期は、大正期を中心にその前後が多く、昭和40年代以降、高度経済成長の影響が庶民の暮らしに波及していくとともに、次第になくなっていった。本書は、あまり記録されることなく消えていった「共同風呂」の実態を発掘し、併せて、公衆浴場の事例や、韓国・中国の浴場に関する報告も含めて、入浴文化を考察する。
1 共同風呂の特徴(共同風呂の意味;共同風呂の分布;成立と衰退;湯沸しについて;風呂の仲間;地域のなかの共同風呂)
[日販商品データベースより]2 共同風呂の事例研究(鳥取県中部の共同風呂;佐賀県旧北茂安町の共同風呂;愛媛県西部の共同風呂;北海道と沖縄県の共同風呂)
3 共同風呂の調査報告(秋田県と青森県の事例;新潟県と石川県における聞き書き;愛媛県西予市宇和町の座談会抄録;北部九州の市町村史から;長崎県における調査)
4 韓国の共同風呂(セマウル運動に伴う共同風呂;済州島における共同水浴び浴場)
5 いくつかの共同浴場事情(神戸と明石における公衆浴場の現状;三朝温泉と関金温泉の共同浴場;大阪府池田市の風呂と暮らし;韓国における沐浴湯の利用;東アジアの共同浴場;鳥取県中・西部における公共温泉の顧客圏)
大正期を中心に成立し、高度経済成長期頃まで広く各地に見られた共同風呂。あまり記録されることのなかった共同風呂の実態を発掘し、公衆浴場の事例や、韓国・中国の浴場に関する報告も含めて、入浴文化を考察する。