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せみまる




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慄然とする現状
いわば不発弾であった第三セクターの信管をハンマーで殴りつけるような法律が2007年 6月に成立。その名称は「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」。乱暴に要約すれば、これまで地方自治体にとっては簿外だった第三セクターの債務をバランスシートにオンさせなければならならなくなるというもの。
結果、2007年現在で7,900社ある第三セクターの約40%が赤字、5%が債務超過に陥っていることが判明した、というのが本書の背景です。
本書で取材対象となった地方自治体うち、もっともページが割かれているのは青森県大鰐町のケース。バブル期のリゾート法による大型リゾート施設の建設と、そのために町と手を組んだ民間デベロッパーの凋落(住専問題も関わっている)。残ったのはそれら施設の廃墟と大きな借入金。
本書であきらかにされるのは、その借入に地方自治体が損失補償をしているということ。第三セクターの弁済が無理になったら代位弁済をするという契約。そして、多くの自治体がその能力を遙かに超えた借入をしているにもかかわらず、「自己破産」できないのです。
赤字を垂れ流してまで運営を継続できず、かといって清算すればその借入金が自治体の財政に重くのしかかって来るという、引くに引けない状態。なぜ、こんなことになったのか、そして責任は誰にあるのか、というのが本書のテーマです。
そのときの経済情勢によって政策を変える国や、その政策に乗って儲けようする民間企業、そして先見性のない地方自治体の首長や議会に責任を求めるのは簡単ですが、最後に著者が言うように、そんな首長や議員を選んだのはわれわれ市民に違いないわけで、結局ぐるりと廻って自分たちに返ってきてしまう。
確かな取材に裏打ちされたディテールは読んでいて慄然とします。今の日本の実情を知るという意味では読んでおいて損はない作品です。




























[BOOKデータベースより]
煽った国も銀行も借金で瀕死の市町村を見捨てていた!廃墟と化したリゾート施設、一括返済の恐怖に脅える市長、金融機関に訴えられた町、風呂にも入れない住民たち…NHK『クローズアップ現代』があぶり出した真実、プロデューサーが描く衝撃のノンフィクション。
第1章 市町村を追いつめる恐るべき法律
[日販商品データベースより]第2章 「赤字第三セクター」という底なし沼
第3章 すべての悪夢はリゾート法から始まった
第4章 廃墟と借金の山が残されて
第5章 突然の返済要求を突きつけられた町
第6章 金融機関との果てしない交渉
第7章 「旗を振った」国の重大な責任
第8章 病院に蝕まれた瀕死の自治体
廃墟と化したリゾート地、金融機関に訴えられえた町。巨額赤字で全国の自治体の財政を追いつめている第三セクター。その深層を、クローズアップ現代で大反響を呼んだ内容を基に敏腕プロデューサーが徹底取材で描く。