[BOOKデータベースより]
それは、たった100年ほどまえのこと…。絶滅してしまったエゾオオカミと人間の歴史をシマフクロウがしずかに語ります。
[日販商品データベースより]それは、たった100年前のことでした…… 北海道にいたエゾオオカミが、この世からいなくなったのは約100年ほど前のこと。動物絵本の第一人者であるあべ弘士が、人間と動物の歴史をしずかに語ります。
この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- ライオンのあしたのいちにち
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2025年04月発売】
- 野ばら
-
価格:1,540円(本体1,400円+税)
【2024年09月発売】
- ギアナ・夜間飛行
-
価格:1,650円(本体1,500円+税)
【2024年09月発売】
絵本は、絵と文の配分が絵の方が多いものをいうのだろう。
文が多くなれば童話もしくは物語となって、絵は挿絵と呼ばれるようになる。
だから、絵で多くを語ることになる。
あべ弘士さんの、今は絶滅したエゾオオカミの物語を描いた絵本も、壮大な大河のような物語が文字で多くを語るのではなく、絵がそれを伝えている。
ある寒い夜、小さなモモンガたちがふくろうから物語を聞く場面から始まる。
まるで、年老い知恵者から昔話を聞くような始まりは、物語の導入部として期待が高まる。
ふくろうが語り始めたのは、昔北海道に生息していたエゾオオカミのこと。
あべさんはここで一匹のエゾオオカミの全身を描いている。
ここからすでに物語は始まっている。
かつて、シカと共存していたというエゾオオカミ。シカを殺して食べることでエゾオオカミは生き、シカもまた数のバランスを保っていたという。
ある年、大雪が降って、シカがいなくなった。
エゾオオカミは仕方なく村の馬を襲う。
いのちのバランスが崩れた瞬間だ。
人はそんなエゾオオカミを殺して、絶滅させてしまう。
わずか100年ほど前のこと。
あべさんの絵は写実ではないが、描かれる動物たちの鼓動が聞こえる気がする。
強い鼓動であったり、深い息づかいであったりを感じることができるのが不思議だ。
長大な抒情詩ともいえるこの作品で、文字数は限られているが、絵は多くのことを語っている。
そう、まるで100年の時間のような悠久を。(夏の雨さん 60代・埼玉県 )
【情報提供・絵本ナビ】