[BOOKデータベースより]
二〇〇八年五月十二日。やさしい目をしたひとりのポーランド人女性が九八歳で亡くなりました。その人の名前は、イレーナ・センドラー。第二次世界大戦中、ドイツ軍に占領されていたポーランドで、ゲットー(ユダヤ人居住区)から、二千五百人のユダヤ人の子どもたちを救った女性です。当時、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)が行われていたポーランドでは、ユダヤ人を助けることは死刑に値する罪でした。それでも、イレーナは自分の命の危険をかえりみず、ひとりでも多くの子どもを救おうと活動を続けました。どんな状況におかれても、決してあきらめず、二千五百人もの子どもたちの命を救ったイレーナ―。その勇敢な人生をのぞいてみましょう。
第1章 第二次世界大戦とユダヤ人(貧しい患者を助けたお父さん;ポーランドのユダヤ人;ドイツ軍のポーランド侵攻;閉じ込められたユダヤ人;ホロコースト)
第2章 ゲットーからの救出(泣いている時間はない;助ける勇気;命がけの脱出作戦;家族の再会のために)
第3章 闘いは続く(捕まったイレーナ;ドイツの降伏;舞台『ビンの中の命』;ひとりの勇気は世界を変える)
第2次世界大戦当時、ドイツ軍占領下のポーランド。下水道管やトランクの中、時にはスカート下に隠して、2500人もの子どもたちをホロコーストから救った勇気ある女性イレーナ・センドラーの生涯を伝える。
副題として「ホロコーストの子ども達の母」とあり、ホロコーストの中から2500人もの子どもたちの救出に尽力した人だということを知りました。
イレーナ自身が、命の危険にさらされ拷問も受けながら活動を続けたその姿に心打たれるものがありました。
驚いたのは、この本を置いておいたら息子も読んでいたことです。『アンネ・フランク』→『国境を越えて』→『アインシュタイン』→『ハンナのかばん』と息子にとっては今とても関心があることのようで、私が関連の本を置いておくと一人で読んでいます。
本国でもその活動は長い間日の目をみなかったようですが、こうした形で本にもなり、私たちが読んで当時のことを知ることができるのはありがたいことだなあと思いました。(はなびやさん 40代・愛知県 男の子10歳)
【情報提供・絵本ナビ】