[BOOKデータベースより]
「ここへ畑起こしてもいいかあ。」「いいぞお。」森が一斉にこたえました。みんなは又叫びました。「ここに家建ててもいいかあ。」「ようし。」森は一ぺんにこたえました。人が自然の声にちゃんと耳をすまし、礼儀をつくしていた時代、人と自然との仲は、豊かで温かくユーモアに満ちたものだった…。
[日販商品データベースより]「ここへ畑を起こしてもいいかぁ。」
「いいぞお。」
森が一斉にこたえました。
田畑を切り拓く百姓と森の話。食料などがなくなり、人間が森と対話しながら解決し、交流が始まります。
人が自然の声にちゃんと耳をすまし、礼儀をつくしていた時代。
人と自然の中は、豊かで暖かくユーモアに満ちたものだった…。
現代こそ見つめなおすべき、賢治が提示した人と自然との関係。
片山健が力強く勢いのある油絵で、荒々しさと温かさを合わせ持つ森の世界を描ききってます。
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宮沢賢治作品って、
硬質な絵が合う作品と、うんと泥臭い描き方が似合う作品と
けっこう分かれると思うんですが
この片山健さんの作品は思いっきり後者。
ガツガツ、ザクザク塗ってます。
片山さんって、水彩画ですいーっと色をのばす印象が強かったんですが
この挿絵の画材は何を使ってるんでしょう?
油っぽい感じですね。油絵の具?クレヨン?わからないのですが、勢いよくビタビタといってます。
ここまでダイナミックな絵は珍しいのでは?
そして
「主役は土地(森)で、ヒトじゃない」
というメッセージが
絵からひしひしと伝わってきます。
最初の4人なんて
「ん?なに?人?」ってくらいちみっとしてて
失礼な書き方だったらごめんなさいですが
虫っぽいんですよぉ!
とにかくロングで引いたショットの構図を使い
たまに森を擬人化っぽくして顔つけてみたりして
季節の移り変わり、土地が開墾されて畑が増えていく様子を
淡々と、でもたっぷりと描きだしています。
狼森の火のシーンと、それが消えた瞬間の絵の対比とか
盗森らしき足のシーンとか
秋の事件の盛り上がりの場面の絵もダイナミックでいいですよー
特に足w
必見です^^
森が中心なので
色合い的に暗い・黒い場面が多いですが
おどろおどろしくはありません。
背の高い木がたくさんですもん、日が差さなくて暗いんですよ。
ま、でも、ちょっとは怖いかな、原っぱとは違いますから。
そして、この暗さ・怖さが森の魅力なわけですし。
自然の荒々しさと優しさ
それにこたえる人間
素朴な対比があったかくつたわる絵本でした。
片山健さんっぽい絵を期待すると
んん?違うかも?ですが
らしさでいうと「著者らしさ」より「作品らしさ」を追及している、って感じで
著者の意外性を見せていただいたように思います。
いろんな出版社の『狼森と笊森、盗森』を全部並べても
文章と絵のマッチングはかなり上位に入るはず。
宮沢賢治の森の世界へご一緒にどうぞです♪ (しろいまちこさん 40代・東京都 )
【情報提供・絵本ナビ】