- わたしの美しい娘
-
ラプンツェル
Zel.- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2008年09月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784591104941
[BOOKデータベースより]
わたしたちはずっといっしょ。このまま永遠に。娘の13歳の誕生日には新しいドレスを作ってあげよう。あの子の美しさを際立たせるすばらしいドレスを。小さな望みなら好きにかなえてやろう。わたしは幸せでたまらなかった。―どうしても子どもをもちたかった女は、魂とひきかえに自分の娘を手に入れた。だが、美しく成長した娘はひとりの若者と出会い、それを機に3人の運命は大きく変わり始める―。
[日販商品データベースより]どうしても子どもを持ちたかった女は、魂とひきかえに自分の娘を手に入れた。だが、美しく成長した娘はひとりの若者と出会い、それを機に3人の運命は大きく変わり始める…。
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あの『ラプンツェル』を好きな人にはたまらない物語です。
ラプンツェルは魔女にどのように育てられたのでしょうか?
魔女はどんな女だったのでしょうか?
グリム童話では、登場人物のキャラクターまでは深堀されていなかった。
この『わたしの美しい娘』は、『ラプンツェル』の物語をベースにして、このように考えられるのではないかと、一つの仮定から構成されています。
『ラプンツェル』の登場人物である、魔女とラプンツェルと王子にスポットをあて、それぞれの視点から物語を語る章を作り、絡み合うように物語を築き上げています。
それが、生活感、重量感、人間味を持って語られ、すごく説得力を持っているのです。
物語は、ツェルという娘と母親の物語として始まります。
立ち寄った町でツェルが知り合った男がコンラッドという王子。
母親の異常なまでの独占愛により、ツェルはコンラッドへのあこがれを断ち切られ、塔に幽閉されてしまいます。
それでもツェルにとって、母親は自分を守る愛すべき存在だったのです。
その母親に、自分の父親や生い立ちのことを訪ねても答えは返ってこない。
実は、母親と思っていたのは、ラプンツェルというレタスと引き換えに、やっと子どもを授かった夫婦から赤ん坊を奪い取った不妊症の女。
不妊症の女の赤ん坊欲しさは、決して絵空事ではない。
純粋に母とおもった女を慕うツェルに、これ以上ない裏切り。
原作の『ラプンツェル』を知っている人には、納得できる物語が展開します。
あのラプンツェルは塔の中でどのような生活をしていたのだろう。
狭いところに閉じ込められていたら精神的にも疲労します。
生活していればいろいろなことがあります。
そうだよなー、そうだよねーという感じで読み終えて、感慨深いものが残りました。
この物語を象徴するのが、石を抱くカモでしょうか。
ツェルはカモのために本当の卵を置いてやりましたが、カモはその卵は割ってしまって、石を抱き続けるのです。
ドナ・ジョー・ナポリは童話をベースに、様々な作品を書き続けている作家だそうです。
他の作品も読んでみたいのですが、入手は難しそうです。(ヒラP21さん 50代・千葉県 男の子14歳)
【情報提供・絵本ナビ】