- ユージニア
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- 価格
- 836円(本体760円+税)
- 発行年月
- 2008年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784043710027
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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sige
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じわじわと犯人像のピントが合ってくる
読んでいくうちにこの町が金沢である事はすぐ分かると思う。旅行で訪れたことはあったのだが、庭園と城の間の低い部分(道路)は“逆サイフォン(伏越の理)”で石をくりぬいて作ったパイプをU字型につなぎ城まで水を押し上げているというのは初めて知った。
また公園内の“奥方御殿”の“群青の間”をネットの画像で見ると、女の子の言う“壁は濃いくっきりした冷たい青。ところどころ赤紫色にぬられた部分もある”との証言と“赤紫”と“濃い青”の感じがちょっと違う。違和感を抱えたまま読んだ。この違和感はラストですっきり。
最初の詩のようなものとプロローグの意味が分かるのが40ページ位進んだところ。そして事件が見え始める。しかし真犯人は誰なのか、動機・目的は何なのか、“ユージニア”という言葉の意味は何なのか、は最後まで読まないと分からない。読み進めるうちに、画像のピントがだんだん合ってくるように、犯人の像がはっきりしてくる。だからページをめくる手が止まらなくなる。第1章で登場する“雑賀満喜子”がラストの第14章でふたたび登場し公園で回想するが、ふわふわとした余韻がずっと後を引くような感じのエンディングだ。
[BOOKデータベースより]
「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。犯人はいま、俺の目の前にいる、この人物だ―。かつて街を悪夢で覆った、名家の大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、遺された者たちの思い。いったい誰がなぜ、無差別殺人を?見落とされた「真実」を証言する関係者たちは、果たして真実を語っているのか?日本推理作家協会賞受賞の傑作ミステリー。
[日販商品データベースより]あの夏、白い百日紅の記憶。死の使いは、静かに街を滅ぼした。旧家で起きた、大量毒殺事件。未解決となったあの事件、真相はいったいどこにあったのだろうか。数々の証言で浮かび上がる、犯人の像は――。