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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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Great MilkyWay
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筑摩書房刊 志村五郎著「記憶の切絵図」(「絵」は本書名、及び本文中では旧字体の「繪」になっています。
【書名解題】
著者である志村五郎氏の一族は「歴史に名をとどめたものはいないが、志村氏の曽祖父の祖父が地図に名をとどめたことによる。またこの地図一辺45cm四方に志村氏の人生が展開されていることによる。勿論、著者の海外生活時代も相当期間ある。志村氏が幼年時代や現在までの「記憶」を辿るとき、この切絵図45cm四方に思い出の大半が凝縮されていることに意を用いた書名であろう。
【本書の印象】
この本の中では、後述すること以外において、数学的な仕事についてはほとんど書かれてはいない。
この著書の中で特に印象に残ることについて書いておく。
特に志村氏と親交や接触のあった人たち、日本人または外国人に限らず、その人物への評価(業績のみならず性格についても)明確な断言された言明が書かれている。
ある日本の世界的に有名なある数学者について(著書中では名前が明記されている)「小人」であった、占領国軍最高責任者であった人は「小人以下」であったと記されている。またロス・アラモス研究所の所長であった人は著者と研究所であった時のことが語られて「当時55歳になっていたにしては、ややぎこちない」人であったとされている。
【谷山・志村予想について】
この著書で志村自身の筆により「谷山・志村予想」の真相がはっきりと語られており、現在この予想はお互いの共同研究として一般的に信じられている。
志村氏自身によれば、谷山の1955年9月日光での国際シンポでの「谷山の提議」については、保型形式と楕円方程式との結びつきにおいて、何か意味のあることを言っているはずであるが、実は何もなにもないのである」「谷山と議論したことはない」「(谷山のシンポ等の発言を含み)「この言明には全く重きをおいていなかった」とも述られている。
志村氏のその後の生活や多彩な教養についても議論されおり、志村氏の教養の高さも示されている。
[BOOKデータベースより]
数学者Goro Shimuraの幼年時代、プリンストン、そして「あの予想」。
切繪図の世界
[日販商品データベースより]茶色のランドセル
宇宙の構造
子供の悩み
中学では
終戦前後
死について
いかに学んだか
邪念と〓(きょう)慢
大学の三年間
数学者としての出発
教える身になって
フランスでは
プリンストン研究所では
東京に帰って
大阪での一年
再びプリンストンに
なぜあの文章を書いたか
所かわれば
ユー・ウィル・ファインド・アウト
向う側
方程式を解くとは
知の継承が生む創造力
あの予想
生い立ち、研究生活、発想法、そしてあの予想について。「フェルマーの最終定理」解決に貢献した世界的数学者が、自らの生涯を振り返る。付録として「方程式を解くとは」「知の継承が生む創造力」などを収録。