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[BOOKデータベースより]
本書は、雑誌「精神療法」誌上にて連載中から評判の高かった「フロイト再読」を中心に編まれた、著者最後の論文集である。変容する現代社会に生きる患者のもつ難しさ―慢性の空虚感、徹底した他者指向、内省の乏しさ、平凡嫌い等々―に対し、著者はフロイトそして東洋思想といった古典から学び、その英知を生かした独自の「常識的家族面接」で応じた。本書では、晩年の著者が到達したこの心理面接の「作法」と、その考え方に至る道筋を辿ることができる。
第1部 フロイト再読―技法論を中心に(「医師に対する分析治療上の助言」について;「医師に対する分析治療上の助言」について・読き;「分析治療の開始」について;「想い起すこと、繰り返すこと、やり通すこと」について;「想い起すこと、繰り返すこと、やり通すこと」について・続き)
第2部 常識的家族面接を説き明かす(説き明かし・常識的家族面接;心理療法家の心構えと『論語』の教え)
第3部 変容する社会と心理療法(現代女性の位置と摂食障害;社会変容と心理療法;心的外傷理論の拡大化に反対する;昨今の青少年犯罪と境界例の構造;こんにちにおける家族面接の意義;心理療法の補助としての電話)
葬られた思想家