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- 兼好法師の虚像
-
偽伝の近世史
平凡社選書 226
平凡社
川平敏文
- 価格
- 3,080円(本体2,800円+税)
- 発行年月
- 2006年09月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784582842265


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[BOOKデータベースより]
「徒然草は近世文学である」―近世初頭「古典」として発見された徒然草は、出版産業の興隆ともあいまって一大ブームとなり、おびただしい注釈書類を産んだ。そのなかで、中世には知られていなかった兼好の伝記資料が出現する。兼好と同時代の公家の日記の抜粋を称しながら、その実まったくの偽文であるその資料は、伊賀に発して何次かにわたって増殖、芭蕉とその一門のはたらきもあって広く流布し、これをもとにいくつもの兼好伝記が書かれた。そして、まるでこの偽文に仕組まれていた時限装置が作動したかのように、兼好のイメージは時を経て変転する。恋にも強い分け知りの法師、西行と並ぶまことしき隠者、江戸後期には、諜報謀略活動にいそしむ南朝の忠臣。江戸期の文芸・学芸思潮の変遷とともに、明治後半まで信じられていたこの偽伝と兼好像変転の顛末を活写する、気鋭の論考。
序章 偽伝以前―二つのイメージ
[日販商品データベースより]第1章 『園太暦』偽文の誕生―伊賀と兼好
第2章 増殖する偽伝―「好色ノ法師」から「真しき隠者」へ
第3章 芭蕉と兼好伝―『更科紀行』と晩年の句
第4章 『園太暦』偽文と芭蕉―記念館本『薗太暦』追考
第5章 兼好と南朝―イメージの形成と『太平記秘伝理尽鈔』
第6章 南朝忠臣説の構造―土肥経平の思考回路
第7章 兼好の「ますらをごゝろ」―大国隆正の思想と趣向
終章 偽伝の終焉―江戸から明治へ
付論 兼好塚の文学―常楽寺蔵・近世兼好伝資料解題
近世初頭からの徒然草ブームの中、偽りの伝記資料が流布。それをもとに、兼好イメージは幾度か変容する。好色法師、まことしき隠者、南朝の忠臣…。近世の思想と学芸の変遷を鮮やかに映し出す、偽伝をめぐる文化史。