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[BOOKデータベースより]
下水道は全国で9000億円を超える赤字を毎年発生させ、自治体の財政を圧迫している。なぜそうなったのか、改善できるのか、今からでも計画変更できるのか…。本書は浄化槽(発生源処理)と下水道(パイプラインによる集合処理)を、環境・住民参加・財政の3側面からデータを駆使して比較・検証する。財政面では、各地の「処理原価」の実態を明らかにし、汚水処理収支の赤字が市町村財政に与える打撃を「赤字強度」で計測する。さらに、「水量密度」による赤字要因の解明や、下水道の汚水分建設コストの算出、浄化槽と下水道の「損益分岐点」も示している。著者は、下水道の基本理念が「(下水)排除と(使用)強制」(=住民不在)にあることと、下水道事業が国庫補助による公共事業としてすすめられたこと(=住民不在)が赤字の根本原因であると指摘する。これに対し、地域自治により水循環・栄養循環をめざす「循環と協働(パートナーシップ)」システムの構築を提案している。
第1章 何のために処理するのか(汚水処理システムの誕生;汚水処理の目的の変化 ほか)
第2章 下水道のバランスシート(環境面〜下水道は役に立ったか;自治面〜下水道は信頼されているか ほか)
第3章 浄化槽のバランスシート(浄化槽の新時代;水質・コストの現状 ほか)
第4章 汚水処理システムの展望(環境面;汚水処理における住民参加 ほか)