地図がつくったタイ

国民国家誕生の歴史
明石ライブラリー　５８
Ｓｉａｍ　ｍａｐｐｅｄ．

明石書店
トンチャイ・ウィニッチャクン　石井米雄　

• 価格: 4,378円（本体3,980円＋税）
• 発行年月: 2003年11月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784750318196

内容情報

[BOOKデータベースより]

本書は、タイ国の旧称であるシャムを事例として、国民という観念が、いかに恣意的かつ人為的に創造されてきたかを検討する。国民という観念の創造にかかわったのは、地理学とその主要な認識手段である地図作成技術という、おなじみの科学であった。国民という観念の創造は、複数の言説の対決と置換のさまざまな瞬間をとおして、進行した。筆者が「地理的身体」と呼ぶ、領域とそれにまつわる価値観や実践など、国民のもっとも具体的な認識手段さえも、実は言説として創造されたものであった。

序論　国民という観念の存在
第１章　民俗知空間と古代の地図
第２章　新地理学の登場
第３章　国境線
第４章　主権
第５章　周縁
第６章　地図作成―空間の新技術
第７章　地理的身体
第８章　地理的身体と歴史
結論　地理的身体・歴史・国家という観念

[日販商品データベースより]

１９世紀末。英仏列強の間に挟まれたシャムは、権益を守り、拡大するため、軍隊と地図作成隊を使い、周縁地域に進出した…。国家や国民という観念の創造・定着と近代的地図の相関関係を明るみに出す卓越した論考。〈受賞情報〉アジア・太平洋賞（第１６回）