- 金のさかな
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ロシアの民話
世界のお話傑作選
Сказка о рыбаке и рыбке.偕成社
アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・プーシキン 松谷さやか ワレーリー・ワシーリエフ- 価格
- 1,540円(本体1,400円+税)
- 発行年月
- 2003年11月
- 判型
- B4
- ISBN
- 9784039638205
[BOOKデータベースより]
おじいさんが海にあみをなげると、人間のことばをはなす金のさかながかかりました。海へかえしてあげたおれいにと、つぎつぎによくばりなねがいごとをするおばあさんでしたが…?5歳から。
[日販商品データベースより]おじいさんが海に網をなげると、人間の言葉を話す金の魚がかかった。魚は海へかえしてくれたら、なんでも望みのものをくれるという。おじいさんは何ももらわずに海へかえしてあげたのだが…。
おじいさんが33年目にして初めて捕まえた金のさかな。
金のさかながかなえてくれると言った願いは、人を幸福にしたのでしょうか?
プーシキンの手になる強烈なブラックユーモアです。
欲もなく金のさかなを海に放したおじいさん。
おじいさんは最後までおじいさんでしたが、おばあさんはすっかり人が変ってしまいます。
金のさかなを逃がしたことに腹を立てたのはおばあさんでした。
新しい洗濯桶が欲しいと言ったおばあさんは、願いがかなうと欲望をどんどんエスカレートさせていきます。
おじいさんに対する態度も変わって行き、おじいさんを人とも思わなくなります。
「しょせん女心はこんなもの」とは言いませんが、歯車が狂うと人間は心も変ってしまうのでした。
社会を考えると笑い飛ばすにはちょっと重いお話です。
世の中には、長年連れ添った夫婦や親子が憎悪関係になって起こる悲惨な事件が実際にあるのですから。
おばあさんの舞い上がった欲望に対して最後のまとめはみごとです。
説教ではなく感じる絵本。
おじいさんが金のさかなにお願いをするときの海の風景の変化が意味深長です。
これは海の女王である金のさかなの心象風景ではないでしょうか。
海は穏やかな方が良いと思います。(ヒラP21さん 50代・千葉県 男の子14歳)
【情報提供・絵本ナビ】