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[BOOKデータベースより]
本書は、著者がこの十数年ほどのあいだ、折あるごとに発表してきたイヴ・ボヌフォワにかんする論文や試論を「風景」というテーマのもとに編み直したものである。各章を結びつけているのは、「風景」という一点であり、詩的言語によって世界とわれわれとの関係の修復を試みる詩人が描き出すさまざまな風景がそこには現れてくるだろう。それらは、ドゥーヴの死によってつくり出された不毛な世界であったり、夕暮れ時や夜空を描いたものであったり、河や海の風景、花盛りのアーモンドの樹の下で戯れる子どもの描写、雪景色などじつに多様である。本書はそうしたざまざまな「風景」に注目しながら、そこにあらわれたボヌフォワの世界観、言語観、芸術観などを探る、いわばテマティックな考察である。
1章 鏡の埋葬―イマージュの機能
[日販商品データベースより]2章 ドゥーヴの変貌と媒介の形象―ボヌフォワの神話学的詩学(樹木‐鳥‐天使‐幼い神;水‐舟‐渡し守)
3章 マラルメを書きかえるボヌフォワ
4章 プレザンス探求の旅―ボヌフォワの詩的地理学
5章 恋愛詩と実存―ロンサール、ボードレール、ボヌフォワの場合
6章 雪のようなエクリチュール―『雪の初めと終わり』注解
現代フランスを代表する詩人のひとり、イヴ・ボヌフォワに関して、著者が発表してきた論文や試論を「風景」というテーマのもとに編み直した書。詩人が描き出す様々な風景に注目し考察。原文の美しさも味わえる。