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“毛皮”という切り口で、人間の歴史をたどる
比較的温暖な日本に比べ、ヨーロッパの寒さは厳しい。そのため、寒さをしのぐための衣服としての毛皮が必須であった。そのため、本書もそのかなりの部分が、ヨーロッパやアメリカ、ロシアなどに割かれている。
最初、人類は自分たちの暮らす周辺で入手できる毛皮を利用していたが、やがて交易などが発達するにつれ、より質の良い毛皮を求めるようになる。さらに、寒さをしのぐという実利面に加え、その美しさゆえ毛皮そのものがステイタスシンボルとなっていく。ただ、良質の毛皮を持つ動物の多くが寒冷な地方にいることに加え、多くが肉食獣で、その地域の生態系の頂点近くにいるので、数量に限りがある。そのため、やがてはヨーロッパ側からはロシアの極東方面へ、アメリカ大陸では東海岸から西海岸へと狩猟範囲の拡大が図られる。また、乱獲の連続で、その動物たちの多くを絶滅寸前まで追い込んでいく。
北米やロシアの極東部(中国の北側)で、毛皮の多くは、“貢納”という形をとって、集められている。ただ、一方的な“貢ぎ”ではなく、当然ながら一定の見返りがあり、一種の“交易”でもあったようだ。ただし、北米やロシアに比べると、中国(清朝)の方が、「人情に篤い」ことを本書は指摘している。
最終章では、日本の毛皮が考察されている。ただ、日本の毛皮への需要は、ヨーロッパの影響を受ける近代まではそれほど強いものでなく、むしろ武具を中心として需要の高かった皮革についての論述が、ほとんどを占めている。また、明治以前においては、皮革産業と差別構造が強くかかわっていたこどなども指摘されている。



























[BOOKデータベースより]
ロシア人によるシベリア進出は、実はクロテンの毛皮を求めてのものだった。当時、毛皮は重要な交易品のひとつで、この収奪があったればこそ、ロシアは大帝国へと発展を遂げたのだ。新大陸でインディアンが持ってきたビーバーの毛皮との交換品として西欧人が差し出した物とは?古来より中国は北方の狩猟・遊牧民族に大量の毛皮を朝貢させていた。そして歴代王朝の交替にも、毛皮が影を落としていた。では、日本では?毛皮(と皮革)をめぐる人間の歴史を、ネアンデルタール人の大昔から現代まで、ユーラシア大陸の全域から新大陸までに及ぶ地球規模の、有名無名、幾多の人間の壮大なドラマとして描きだす。
1章 毛皮―人類最初の衣料
[日販商品データベースより]2章 最初に毛皮を着たのは誰か?―人類史の流れに沿って
3章 毛皮と毛皮獣の世界
4章 古代社会から
5章 花ひらく毛皮文化―中世の世界
6章 荒野にクロテンを求めて―ロシアの興隆とシベリア進出
7章 新世界の呼び声
8章 西と東の出会い
9章 日本の毛皮と皮革
毛皮をめぐる人間の歴史を、ネアンデルタール人の大昔から現代まで、ユーラシア大陸の全域から新大陸までに及ぶ地球規模の、有名無名、幾多の人間の壮大なドラマとして描き出す。大佛次郎賞作家の渾身の遺作。