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[BOOKデータベースより]
西洋フェミニズムの「普遍的正義」の裏に、異なる文化への差別意識がひそんではいないか―。女性であり、かつ植民地主義の加害者の側に位置することを引き受け、「他者」を一方的に語ることの暴力性を凝視しながら、ことばと名前を奪われた人びとに応答する道をさぐる、大胆にして繊細な文化の政治学。
序章 彼女の「正しい」名前とは何か
1 「第三世界フェミニズム」とは何か(「第三世界」と「西洋フェミニズム」;カヴァリング・ウーマン、あるいは女性報道;「女性割礼」という陥穽、あるいはフライデイの口)
2 発話の位置の政治学(「文化」をどこから語るか;「グローバル・フェミニズム」の無知;置き換えられた女たち 第三世界の女のエクリチュール―トリン・T・ミンハを中心に)
3 責任=応答可能性(レスポンシビリティ)(蟹の虚ろなまなざし、あるいはフライデイの旋回;Becoming a Witness―出来事の分有と「共感」のポリティクス;転がるカボチャ、あるいは応答するということ)
終章 「他者」の存在を想い出すこと