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[BOOKデータベースより]
新島襄は未知の国アメリカに人生を賭けて船出した青年であった。そのような旅には不安、焦り、泣き、笑い、怒り、出合い、誤解、人情、挫折、労働、祈りがつきものである。それらの経験を財産としてたくましく育英事業家に成長した人間新島襄について、本書ではのびやかにかたる。第二には、昭和前期に優勢となり今なおその亡霊が残存しているやに思われる国粋主義的新島像のゆがみを正して、平民主義的新島像に立ちかえった。新島襄は十年ちかいアメリカ東部ニューイングランド地方での草の根のデモクラシーを体験し自由を満喫して帰国した。そして自発的結社、市民社会、ネーションの意味を明治期において真に理解していた数少ない知識人であった。
1 抑圧と飛躍の青春―幕末の新島襄
2 新島襄の洗濯
3 新島襄の帰国
4 私立大学を創る
5 徳富蘇峰の通学・遊学・退学
6 明治の青年・昭和の老人―蘇峰の新島像をめぐって