現代倫理学入門

講談社学術文庫　１２６７

講談社
加藤尚武　

• 価格: 1,320円（本体1,200円＋税）
• 発行年月: 1997年02月
• 判型: 文庫
• ISBN: 9784061592674

内容情報

[BOOKデータベースより]

本書の狙いは、昔の話をすることではない。現代世界の倫理構造を明らかにして、２１世紀の文化の骨格を示すこと、２１世紀で有効となるような倫理学の輪郭を描き出すことである。

人を助けるために嘘をつくことは許されるか
１０人の命を救うために１人の人を殺すことは許されるか
１０人のエイズ患者に対して特効薬が１人分しかない時、誰に渡すか
エゴイズムに基づく行為はすべて道徳に反するか
どうすれば幸福の計算ができるか
判断能力の判断は誰がするか
「…である」から「…べかである」を導き出すことはできないか
正義の原理は純粋な形式で決まるのか、共同の利益で決まるのか
思いやりだけで道徳の原則ができるか
正直者が損をすることはどうしたら防げるか〔ほか〕

[日販商品データベースより]

私はこの本で、現代の倫理学で議論される原理的な問題と応用倫理学で取り扱われる内容を、明確に描き出したい。それには日常生活で出会う倫理問題を考えることが、現代倫理学の中心問題を理解する早道だと思う。難しい術語や学説の違いを知るより、現代の倫理学者達の議論の中身に入ってもらいたいという気持ちで書いた。何よりもまず、読み物として面白く通読できるよう心がけた。（「あとがき」より）