- 聊斎志異 上
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- 価格
- 1,276円(本体1,160円+税)
- 発行年月
- 1997年01月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784003204016
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ユーザーレビュー (3件、平均スコア:4.3)
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夢歌舞伎とみお
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現代語訳が違和感なし
訳のせいか古めかしい感じはなく、むしろ現代的なショートショートにも思える話の面白さが魅力です。怪異を扱うといってもおどろおどろしいものではなく、何とも不思議で幻想的な印象です。人が理知的に扱いにくい領域を巧みに描写していますね
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HonyaClub.comアンケート
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「夏の文庫100冊 2013」レビューコメント
夏といえば怪談、怖い話のシーズンである。が、怪談にもいろいろあって、震えあがるほど怖い話や、落語のように笑える怪談もある。また、一度はまるとクセになる味わい深い話群もある。清の蒲松齢の「聊斎志異」が、それである。近世中国の民間にあった多数の怪異譚を集めた、一大短編小説集といった趣のもので、キツネや幽霊や、神仙たちが、人間社会に立ち混じって何気なく暮らしている、そんな感じの不可思議な話が次々と出てくるのだが、日本の怪談とは違って、あまり怖くはない。というより、昔の中国では、狐も幽霊もみんな若い美女に変身して登場してくる。そして、不遇な若者と恋をしたり、結婚したりして、彼らを慰めてくれるのだ。中国の物の怪たちには、そんな人くさい愛らしさがある。寝苦しい夏の夜には、一度そんな魅力に浸ってみるのもいいかと思う。取りつかれてしまう、かもしれないけれど。(ゲタをはいたねこ/男性/60代以上)
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sige
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中国の化け物の話
太宰治の「お伽草紙」に含まれる聊斎志異の2篇は“清貧譚”が『菊の姉妹−黄英』、“竹青”が『漢水の妻−竹青』である。元になる物語とどう違うのか興味があって書店で岩波文庫を探した。(最近の書店は岩波文庫や岩波新書を置いてないところが多い。学生の頃はもっぱら岩波文庫で、背表紙の☆の数で値段を表し☆1つ50円だった) 2作品ともに下巻に収録されていることが分かったが、上巻も買った。51話もある。
狐が化ける話が多い。わずか2ページも話もある。450ページくらいあるが、1篇が短いので寝る前の読書には打ってつけである。
この本で“生員”という言葉が度々出てくるが、中国の『科挙』の制度による資格のようなものであり、日本にはないが、日本で言えば“中学校卒”“高等学校卒”“大学卒”といった資格と同じものであろう。本文の注釈で、科挙の仕組みがおおよそ分かった。
話で多いのは、男が古い寺院に泊めてもらった夜などに、“絶世の美女”と出会うがそれは狐であるというもの。閨をともにしたり、妻にしたりといろいろであるが、男の方も狐である事を感づいていたり、女のほうも狐である事を告白したりする。日本の怪談はお岩のような怖い幽霊の話が多いが、お国柄の違いかな。50話もあるが飽きさせない。
[BOOKデータベースより]
全篇ことごとく神仙、狐、鬼、化け物、不思議な人間に関する話。中国・清初の作家蒲松齢(1640‐1715)が民間伝承から取材、豊かな空想力と古典籍の教養を駆使した巧みな構成で、怪異の世界と人間の世界を交錯させながら写実的な小説にまさる「人間性」を見事に表現した中国怪異小説の傑作。今回、92篇を精選して新訳。